[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

「日本人、お金ないんだね」と笑われ 億も稼げるスポーツ界で…生活が成り立たない日本代表の実情――フィンスイミング・松田志保「女性アスリートとスポンサー」

松田にとっての原動力は「ただ、速く泳ぎたいだけ」【写真:松橋晶子】
松田にとっての原動力は「ただ、速く泳ぎたいだけ」【写真:松橋晶子】

仕事との両立でも充実感「ただ、速く泳ぎたいだけなんです」

 日本のスポーツ界でも、トップになれば億単位を稼ぐ選手もいる。

 一方で、日本代表であっても、仕事をしながら、競技と両立させるしか道がないアスリートもいる。ただ、松田は置かれた現状に言い訳をしない。最初は深い理由なく選んだ水泳インストラクターに今はやりがいを感じ、充実感を漂わせる。

「やりたくてやっている仕事が楽しいのは当たり前。プラスアルファ、当たり前以外のものをしないと退屈だし、何か頑張ってないと、しょうもない人間になっていく感じもするので。何より、水泳はタイムに出る。チーム競技じゃないし、やった分しか返ってこない。タイムが出ない時はちゃんとやれていなかったんだと思うし、何か足りない物があったんだなって。ただ、速く泳ぎたいだけなんです」

 本来、アスリートにとって支えになるのがスポンサーの存在である。

 支援してくれる企業の看板を背負って活動。ジャージに社名を入れたり、SNSでハッシュタグをつけたり、PRする代わりに資金や商品を提供してもらう。これが松田のような個人競技においては、より大切なものになる。

 ただ、「お金を出す企業と、出してもらうアスリート」という立場が作るハラスメントに直面したことがある。

 ある時、スポンサーを探す中で知り合った企業の男性から誘われた。「家、来ない?」。性的な下心も感じた。お金がない自分の足元を見られ、アスリートとして、ひとりの女性として、侮辱された気分だった。

 松田の答えはひとつだった。

(後編へ続く)

■松田 志保 / Shiho Matsuda

 1991年5月27日生まれ。兵庫県出身。小学3年で水泳を始め、須磨学園高(兵庫)ではジュニアアリンピックやインターハイで活躍。大体大4年でフィンスイミングと出会う。卒業後、水泳指導をしながら競技を続ける。2018年7月世界選手権50メートルビーフィンで念願の決勝進出を果たし、日本記録を更新した。リレー、短水路種目などを合わせて12種目で日本記録を保持。SNSはYouTube、X、インスタグラム、Facebookを運用し、公式サイトで個人・企業からの支援を募集している。

【YouTube】https://www.youtube.com/channel/UCmAiwM3fJz5AUHxfh5j66LA
【X】https://twitter.com/527shiho
【Facebook】https://www.facebook.com/527shiho
【Instagram】https://www.instagram.com/527shiho

(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)


W-ANS ACADEMY

1 2 3
W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
ABEMA Jleague
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集