女子競輪選手の8割が陥る“股ずれ” 「恥ずかしいから」相談できない深刻な現実
沖氏が感じる、女子選手を巡る環境の変化「様々な角度からサポートを」
沖氏は現役時代、プロロードサイクリストとして、01~08年、ヨーロッパを拠点に活躍。ヨーロッパでは、家族とチームが子育て中の選手をバックアップしていたと話す。
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「選手たちは皆、自分やパートナー家族と同居。レースや遠征時はスタッフやパートナー、オフの時間はチームメートも子どもをみていた。とはいえ、ヨーロッパ方式をそのまま日本に導入してもうまくいきません。シッターさんを呼ぶのか、合宿や遠征時の夜泣きの対策はどうするのか。日本なりのベストな形を探る必要があります」
沖氏は2018年5月世界女性スポーツ会議(ボツワナ・ハボローネ)に招聘され、研究を発表。レーサーパンツの開発や生理用品を扱う会社からも相談が寄せられるようになり、小さいながらも、変化を感じている。
「東京オリンピックに向けて、メディアでも女性スポーツが注目されるようになりましたが、現場の体制はまだまだ取り組むべき課題は山積。例えば、思春期の女子アスリートが体との付き合い方を学べる講演や教育プログラムの開発など、今後は自転車競技の枠を超え、様々な角度から女性スポーツをサポートしていきたいですね」
3月に大学院を修了した沖氏。今後は競輪の統括団体であるJKAの職員として、自転車競技の普及や外国人選手のケア、東京五輪に向けてJOC関連の仕事に携わっていく。
(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)