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「女性には年齢のカウントダウンがあるけど…」 33歳で自己新連発、陸上と社会の未来に願う“女性活躍”のカタチ――陸上・清山ちさと

9月の東京世界陸上を最大の目標に掲げている【写真:山野邊佳穂】
9月の東京世界陸上を最大の目標に掲げている【写真:山野邊佳穂】

“普通”の女性としての思い「年齢のカウントダウンがついてくるけど…」

 20年に股関節を骨折した。近づく30歳をリアルに感じる年代。「そろそろかな、潮時かな……」。勇気を与えてくれたのは、所属先の先輩・三宅宏実さん。12年のロンドン五輪で銀メダルを獲得するなど、5大会連続で五輪に出場したウエイトリフティングの第一人者だ。「本当は辞めようと思っていたけど、頑張っている姿を見て決意した」

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 さらに、21年東京五輪女子100メートル障害で日本人21年ぶりの準決勝進出を果たしたママさんハードラー・寺田明日香の存在も大きい。「寺田さんがいるので、自分の中で年齢の限界はなくなっている」と影響を受けた。

 トップアスリートとはいえ、競技を離れれば“普通”の女性。「女性としての人生も歩みたい」と思いを明かす。年々、陸上競技の楽しさを実感しているからこそ、伝えたいことがある。

「女性にはどうしても年齢のカウントダウンがついてくるけど、時代の変化とともに年齢を重ねてもやりたいことをやれる世界になってきていると思う。年齢という問題に蓋をせずに、陸上に限らず、それぞれの世界で自分がどうしたいかを考えていけたらいい。

 女性だけが問題を感じる社会ではなくて、みんなでやっていけたらいいと思っていて……。お母さんが保育園や小学校に呼ばれることが多いけど、それは違和感がある。女性も指導者として、アスリートとして活躍できる陸上の世界ができたらいいと思う」

 将来は所属先のいちごに残り、次世代のさまざまなレベルを相手に陸上の指導をすることを希望する。「私も子どもを生んでも現場に携わりたい。子どもを連れてきて、みんなで子育てしながらの指導もやってみたい」と思い描いた。

 小学6年時に抱いた「日本代表になる」という夢。9月の東京世界陸上が最大の目標となる。「このシーズンをやり切って、東京世界陸上の出場権をゲットしてかっこよく去りたいなって。今回の走りをまぐれで終わらせずに、プレッシャーも感じずに楽しくやりたい」
 
 陸上人生の集大成と位置付ける2025年。競技も、女性としての人生も諦めない。立ちはだかる障害を一つ一つ越えていく。

(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)


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