米は1日150gだけ、水を飲むと「太る」 中野友加里が語る女子フィギュア選手の減量
現役時代に実践した減量法「一番自分に合ったのがキャベツダイエット」
――それほど神経質に体重と向き合っていたと考えると、現役時代は食欲とのせめぎ合いだったのですね。
「本当にその通りです。現役時代のベスト体重は43~44キロくらい。今の生活で1キロ太るなんて当たり前ですが、当時は1キロでもパニックを起こすくらい神経質になっていました。特に減量が必要になるのはシーズン開幕近く。オフシーズンは気が緩んでいるのか、4月から7月まではどうやっても痩せなくて。シーズンに入って制限をしたら体力が落ちてしまうので、シーズンが近くなると特に自制して調整していました」
――具体的に実践していた減量法はどんなものがあったのでしょうか?
「もう数々のダイエットをやりました。一日中バナナジュースを飲んで過ごした日も、りんごを食べた日もありました。スープダイエットも断食をしたこともあります。でも、一番自分の体調や好みに合ったのが、キャベツダイエットです。朝昼晩、ひたすらキャベツを食べ続ける。ドレッシングの味付けや切り方を変えながら。そうしたら痩せ始めたので、自分に合っていると思って続けられました」
――もし1キロ増えたら、当時は何日間くらい落とすイメージだったのですか?
「2日から3日でなんとか落とす感じでした。1キロ増えることは遠征先から帰ってきた直後とか、そうそうなかったですが、今日食べ過ぎたと思ったら翌日の食事を少なくするか、もしくは抜く。普段は先生方も食べないと体力がつかないからダメだと言うのですが、目先の体重に一喜一憂してしまっていた。結構、無理なことをやっていたので、本当は栄養面でも良くなかったと思います。それは今の選手たちにも伝えたいことです」
(後編は明日29日に掲載)
■中野友加里/THE ANSWERスペシャリスト
1985年生まれ。愛知県出身。3歳からスケートを始める。現役時代は女子選手として史上3人目の3回転アクセル成功。スピンを得意として国際的に高い評価を受け「世界一のドーナツスピン」とも言われた。05年NHK杯優勝、GPファイナル3位、08年世界選手権4位。全日本選手権は表彰台を3度経験。10年に引退後、フジテレビに入社。スポーツ番組のディレクターとして数々の競技を取材し、19年3月に退社。現在は講演活動を務めるほか、審判員としても活動。15年に結婚し、2児の母。自身のYouTubeチャンネル「フィギュアスケーター中野友加里チャンネル」を開設し、人気を集めている。
(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)