21歳で初めて来た生理 元日本代表・岡部紗季子が語る「体操選手と思春期」の闘い
競技年齢が上がる日本体操界「生理に関わる選手も多い。問題を共有できる環境に」
「知識としては小中学校の保健の授業くらいで、アスリートとしての特別なものは特になかった。気持ちとしては来ない方がいい、というそれだけ。だから、特に心配することもなかった。でも、今になってみると、きちんと自分に来ない理由は知っておいた方が良かったと思います」
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アスリートである前に、一人の女性でもある。体に悪影響が及んでいる可能性を考慮すべきだと考えている。
「もし、『選手の体になっているから』と思っていても、実は病気の可能性もある。それはきちんと治さないといけない。ただ、知識のない10代の高校生が考えることは難しい。例えば、代表では指導者からのアドバイスだったり、専門家からのセミナーみたいなものだったりがあれば、いいなと思います」
包み隠さず、様々な経験談を明かしてくれた岡部さん。20年には東京五輪が行われる。アスリートの存在が脚光を浴びる今だからこそ、体操界としても、より良い環境になってほしいと願っている。
「海外は10代で引退も多く、生理を経験せずに引退もある。でも、日本は競技年齢が上がって20代でも現役は普通。ピルという選択肢だけじゃなく、副作用も含め、メリット、デメリットを知れると、競技に生かすことができる。前回のリオ五輪でも大学生が代表に入っているし、生理に関わる選手も多い。そういう問題を共有できる環境になってほしいと思います」
(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)