[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

LGBTを公表した滝沢ななえ 「美人すぎるバレーボール選手」と呼ばれた過去の苦悩

現役時代の滝沢さん、当時は「美人すぎるバレー選手」と注目された【写真:本人提供】
現役時代の滝沢さん、当時は「美人すぎるバレー選手」と注目された【写真:本人提供】

カミングアウトを決めた理由「パートナーのことを家族、友人にも話せず…」

 そんな滝沢さんは引退後、一転してテレビ番組でのカミングアウトを決める。腹を決めたきっかけは、第二の人生を歩むなか、「自分はどうあるべきか」に向き合ったことだった。

 引退後はバレーボールの指導者を経て、パーソナルトレーナーに転身。当時、所属していたジムの代表に、「セクシャル・マイノリティであることに悩んでいる人もいる。その人たちのためにも、何かできたらいいね」と言われていた。

 すると、時を同じくして、テレビ番組出演の依頼が届く。「ここでカミングアウトしたら、似たような境遇の人たちの支えや勇気になるかもしれない」。その想いが背中を押した。

「自分を隠して生きるって、結構辛い部分があるんですね。例えば、パートナーのことを家族や友人にも話せなかったり、何で彼氏いないの? どうして結婚しないの? と聞かれ『何でって彼女がいるから』と言えなかったり。本当に些細なことだけど、言えるか言えないかでは全然、違います。

 多分、世の中にはそういった思いを抱えている人はたくさんいる。私が公表することで、少しでも、その人たちの助けとか希望とかなれたらいいな、と思いました。

 周りがどう思うかではなく、自分には何ができるのか。どうしていきたいのか。そう考えるようになったら、すごく思考がチェンジした。自分で覚悟を決めてからは、カミングアウトに対する周囲の目は、まったく気にならなくなりました」

 現在も滝沢さんは「明るく前向きに人生を生きている、同性カップルもいると伝えたい」と、SNSでパートナーとの生活を積極的に発信。セクシャル・マイノリティに対する理解も以前と比べ、進んでいる感じを受ける、と話す。

「例えば若い20代の方たちの話を聞いていると、あまり壁がないのかな、と感じます。また、セクシャリティを問わず、自分を隠したり、他人を区別したりすることなく働ける会社に勤める知人もいます。自分を偽らず、自然に会話ができる環境って、すごく素敵ですよね。こういった話を聞くと、社会も変わってきているのかな、と感じます」

 さて、今、滝沢さんは付き合って4年目になるパートナー、そして愛犬と暮らしている。

 パートナーと付き合い始めたきっかけは、滝沢さんの一目ぼれ。「ちっちゃくて、フェミニンな感じが、単純にすごくタイプだった」

「彼女は家庭的な面もすごく素敵です。私は外で働くことはできても、生活する能力が極端に低い! ご飯は作れないし、部屋もぐちゃぐちゃになるし、家事は一切できません。一人暮らしのときなんて、遊びに来た友達から『部室みたいだね』ってよく言われていました(笑)。

 彼女は私にないものをたくさん持っています。愛情深いのかな。世話焼きというか、人に対して色々やってあげたい人なんです。私の帰宅時間に合わせてご飯を用意したり、今日のように取材があると、洋服を準備してくれたり。逆にしゃかりきに働くのは苦手。私とはまるで逆のタイプですね」

 日本では現在、同性同士の結婚は法的には認められていない。お互いのことは家族にも紹介済みだが、形としては独身同士の同居。二人は結婚について、どう考えているのか。

1 2 3 4

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
ABEMA Jleague
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集