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生理と重なった五輪 伊藤華英が語る、女子アスリートと思春期の付き合い方

伊藤さんに聞く、思春期だった「10代の自分」に欲しかったもの

 さまざまな女性の悩みと戦いながら、駆け抜けた競技人生。思春期だった10代の自分に欲しかったものは? そう問うと、こんなふうに返してくれた。

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「誰かに理論的に説明してほしかった。何が原因で今、問題が起きている。だから、練習はこう工夫して、試合に当たった時のことを考えてメンタルを強くできるように臨んでいこう――と導いてくれる人がいてくれたら心強い。生理が来るのは、自分のせいじゃんって思い込みすぎていたから」

 包み隠さずに本音で体験談を明かしてくれた伊藤さん。現状が少しでも変わってほしいと、現在はスポーツ庁で指導者を対象とし、「部活動のあり方」という会議で思春期を題材にした発表を行うなど、活動の場が広がっている。

「女性アスリートは増える一方で、五輪も男子と同じくらい。先進国としても知っていてもいいんじゃないかと思う。難しい問題だし、口に出してはいけないのかなという意識は女性同士でもある。でも、そういうところから少しずつ、女性アスリートの環境が変わっていってほしいと思っています」

 では、なぜ、元オリンピック選手という立場でありながら、タブーとも思われる問題を声に出そうと思ったのか――。

<後編へ続く>

(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)


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伊藤 華英

 日本代表選手として2012年ロンドン五輪まで日本競泳会に貢献。2004年アテネ五輪出場確実と騒がれたが、選考会で実力を発揮できず、出場を逃す。水泳が心底好きという気持ちと、五輪にどうしても行きたいという強い気持ちで、2008年女子100m背泳ぎ日本記録を樹立し、初めて五輪代表選手となる。

 その後、メダル獲得を目標にロンドン五輪を目指すが、怪我により2009年に背泳ぎから自由形に転向。自由形の日本代表選手として、世界選手権・アジア大会での数々のメダル獲得を経て、2012年ロンドン五輪・自由形の代表選手となる。2012年10月の岐阜国体を最後に現役引退。

 引退後、ピラティスの資格取得とともに、水泳とピラティスの素晴らしさを多くの人に伝えたいと活動中。また、スポーツ界の環境保全を啓発・実践する「JOCオリンピック・ムーヴメントアンバサダー」としても活動中。

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