生理と重なった五輪 伊藤華英が語る、女子アスリートと思春期の付き合い方
伊藤さんに聞く、思春期だった「10代の自分」に欲しかったもの
さまざまな女性の悩みと戦いながら、駆け抜けた競技人生。思春期だった10代の自分に欲しかったものは? そう問うと、こんなふうに返してくれた。
本当にしんどかった重い生理痛 婦人科医に相談、服用し始めたピルが私には合った――サッカー・仲田歩夢選手【私とカラダ】
「誰かに理論的に説明してほしかった。何が原因で今、問題が起きている。だから、練習はこう工夫して、試合に当たった時のことを考えてメンタルを強くできるように臨んでいこう――と導いてくれる人がいてくれたら心強い。生理が来るのは、自分のせいじゃんって思い込みすぎていたから」
包み隠さずに本音で体験談を明かしてくれた伊藤さん。現状が少しでも変わってほしいと、現在はスポーツ庁で指導者を対象とし、「部活動のあり方」という会議で思春期を題材にした発表を行うなど、活動の場が広がっている。
「女性アスリートは増える一方で、五輪も男子と同じくらい。先進国としても知っていてもいいんじゃないかと思う。難しい問題だし、口に出してはいけないのかなという意識は女性同士でもある。でも、そういうところから少しずつ、女性アスリートの環境が変わっていってほしいと思っています」
では、なぜ、元オリンピック選手という立場でありながら、タブーとも思われる問題を声に出そうと思ったのか――。
(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)