[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

「可愛すぎるアスリート」と呼ばれて 28歳になった重量挙げ・八木かなえが今語る本音

3大会連続の五輪出場を目指すウエイトリフティング・八木かなえ(ALSOK)が、「THE ANSWER」のインタビューに応じ、“期待との付き合い方”について語った。旧階級も含めて全日本選手権5連覇中の28歳。高校時代に「かわいすぎる重量挙げ選手」と注目を浴びた頃、周囲の期待と自身の目標の間に生まれたギャップに悩んだ。葛藤を抱えた当時の心境を振り返りながら、次世代の選手たちに「自分の決めた目標へ突き進む大切さ」を伝えた。

八木かなえが語った“期待との付き合い方”とは【写真:ALSOK】
八木かなえが語った“期待との付き合い方”とは【写真:ALSOK】

五輪2大会連続出場の重量挙げ選手に聞く、過度な期待の受け流し方とは

 3大会連続の五輪出場を目指すウエイトリフティング・八木かなえ(ALSOK)が、「THE ANSWER」のインタビューに応じ、“期待との付き合い方”について語った。旧階級も含めて全日本選手権5連覇中の28歳。高校時代に「かわいすぎる重量挙げ選手」と注目を浴びた頃、周囲の期待と自身の目標の間に生まれたギャップに悩んだ。葛藤を抱えた当時の心境を振り返りながら、次世代の選手たちに「自分の決めた目標へ突き進む大切さ」を伝えた。

【特集】4年に1度の一瞬へ 笑顔のリフターが「限界に挑戦する姿」で生む美しさ / ウエイトリフティング・八木かなえインタビュー(GROWINGへ)

 ◇ ◇ ◇

 期待と目標――。他人が求める「期待」と、自分が定める「目標」は必ずしも同じではない。本来、自分が決めるはずの目標が他人の言葉によって揺らいでしまう。大きな期待は時に心を惑わせる。

 八木は過去にそんな経験をしたアスリートの一人だ。

 5歳から器械体操を始め、中学3年の時に参加した高校見学でウエイトリフティングに出会った。兵庫・須磨友が丘高から本格的に競技を開始。器械体操で培った体幹や瞬発力が生き、競技歴わずか8か月ながらアジアユース選手権で優勝した。高校2年だった2009年11月の世界選手権で日本代表に抜擢され、いきなり10位と健闘。“五輪期待の星”として少しずつ世間に知られる存在となった。

 実力もさることながら、注目を浴びたのは容姿だった。愛くるしい笑顔からは想像もできないパワーを発揮し、重いバーベルを上げる女子高生。市議会議員や海女さんなど、当時は「美人すぎる〇〇」が大きく流行っていた。そんな流れで現れたスポーツ界の新星。「かわいすぎる重量挙げ選手」はネット上でも話題になっていった。

 全国高校女子選手権では3連覇を達成。三宅宏実(いちご)の後を追うように頭角を現した10代選手に注目が集まるのは当然だった。しかし、当時はシニアで日本一になったこともなく、本人は20歳で迎える2012年のロンドン五輪に出られるなんて思っていなかった。自己記録から見えてくる実力、立ち位置は自分が一番わかっていたからだ。

 言葉を選びながら、当時の胸の内を明かしてくれた。

「やっぱり戸惑いは大きかったですね。それこそ、学生の時は取材を受けるのも好きじゃなかったです。もっと実力があれば、取り上げてもらえることも嬉しかったのかもしれないですが、『まだ自分はそこまでの実力じゃないのに』というのが凄く自分の中にはあって」

1 2 3 4
W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
ABEMA Jleague
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集