野球ボールを爆弾と怪しまれたイラン監督時代 月収3万円足らず、異文化で戦った日本人
育てたい「国家観ある国際人」とは
今も新しいチャレンジや出会いを求める中で、必要と感じるようになったのが「教育のアップデート」だ。それにより、国家観を持った国際人を育てたい思いがある。
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「日本人として世界に出ていくってことは、全ての外国人に『日本人ってこういう人たち、民族なんだ』と印象を与える。その結果が、僕らの孫やひ孫世代の世界での立ち位置になる。だから僕は、国家観を持った国際人を育てて、日本人としてのプレゼンスを上げていきたい。ただ世界に行くだけの国際人を育てたい訳じゃない。そこをどうするかというと、やっぱり教育」
日本を離れての活動で改めて実感したのは、同じ場所にかつていた姿も名前も知らない日本人が残したものが、自分を助けてくれたということ。トライアウトプログラムで日本人選手の海外挑戦を後押しする立場にもいる色川GM。世界に散った日本人が、未来の後輩に“財産”を残し続けるサイクルを望んでいる。
■色川冬馬(いろかわ・とうま)/茨城アストロプラネッツGM
1990年1月2日、仙台市生まれの33歳。宮城・聖和学園から仙台大に進学後、09年に米アリゾナのウィンターリーグに参加。その後もプエルトリコ、メキシコなどでプレーした。現役引退後にイラン、パキスタン、香港の代表監督を歴任。19年、独立リーグ出身者などによるトラベリングチームが米国を拠点に試合を行うトライアウトプログラム「アジアンブリーズ」を創設。20年10月に茨城アストロプラネッツのGMに就任した。現役時代のポジションは内野手。
(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)