女性たちが憧れる「180度開脚」に警鐘 「綺麗なカラダになれる」の科学的効果なし
新体操やフィギュア選手の股関節が正常に働くのはなぜ?
さらに、過剰な柔軟性により、年々、股関節が不安定になる恐れがあります。
股関節は靭帯のほか、たくさんの筋肉によって支えられ、安定しています。ところが老化とともに筋肉量が減ると、当然、股関節を支える力は低下。股関節が不安定になり、コアに力が入らなかったり、歩きづらくなったりという問題が現れ、股関節が外れやすい、歩けなくなる、転倒するといった問題が降りかかります。
では、体の構造上、適性の可動域を必要とするスポーツ……例えば、新体操やフィギュアスケートなどの選手やバレエダンサーなどの股関節は、なぜ正常に働くのでしょうか?
理由は、成長過程から訓練を重ねたことで得られた柔軟性と、それを支えるだけの筋肉が備わっているからです。力士もそう。彼らは重量があるうえ、股関節も非常に柔軟ですが、靭帯がゆるんだり、切れたりしても、体が安定する構造を、トレーニングによって獲得しています。
180度の開脚は、特殊なスポーツやダンスなどをする方以外、必要ありません。一般の方に必要な股関節の柔軟性は、「床に座り、90度開却しても 骨盤が後ろに倒れないで座ることができる」が、目安。「90度」開かない人は適度な柔軟性を維持できるよう、ストレッチを続けていきましょう。
さて、股関節が硬い人にまずやってほしいのは、太もも内側の筋肉、内転筋のストレッチです。
内転筋には、膝の骨(膝蓋骨)をまたいでいる筋肉とまたいでいない筋肉があります。その両方をストレッチすることが、着実に柔軟性を高めるポイント。どのように行うかは、次からのハウツーと動画をチェックしてみてください。
ストレッチを週5日以上続けると、着実に柔軟性がアップしていきます。今回紹介する種目は就寝前のすき間時間にできますので、コツコツ続けていきましょう!