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女性たちが憧れる「180度開脚」に警鐘 「綺麗なカラダになれる」の科学的効果なし

忙しい大人向けの健康術を指南する「THE ANSWER」の連載「30代からでも変われる! 中野式カラダ改造計画『まずはコレ、やってみて!』」。多くのアスリートを手掛けるフィジカルトレーナー・中野ジェームズ修一氏がビジネスパーソン向けの健康増進や体作りのアドバイスを送る。今回のテーマは「股関節と180度開脚のリスク」。「THE ANSWER」公式YouTubeチャンネルの動画では、中野トレーナーが提案する股関節のストレッチ法を紹介しています。

今回のテーマは「股関節と180度開脚のリスク」について
今回のテーマは「股関節と180度開脚のリスク」について

「THE ANSWER」の連載「30代からでも変われる! 中野式カラダ改造計画」

 忙しい大人向けの健康術を指南する「THE ANSWER」の連載「30代からでも変われる! 中野式カラダ改造計画『まずはコレ、やってみて!』」。多くのアスリートを手掛けるフィジカルトレーナー・中野ジェームズ修一氏がビジネスパーソン向けの健康増進や体作りのアドバイスを送る。今回のテーマは「股関節と180度開脚のリスク」。「THE ANSWER」公式YouTubeチャンネルの動画では、中野トレーナーが提案する股関節のストレッチ法を紹介しています。

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「どうしたら180度の開脚ができるようになりますか?」「180度開脚ができるようになるのが目標なんです!」。これらは、女性向けのトレーニングイベントや取材、私のパーソナルトレーニングジムの入会希望の女性からよく聞かれる言葉。皆さん、「憧れなんです!」と口を揃えます。

 理由を伺うと、「脚のむくみがとれる」「脚が細く引き締まる」「歩くのがラクになる」といったメリットがあると思っている様子。どうやら、体が柔らかったり、ヨガを習慣にしたりしている、モデルさんやタレントさんの言葉、開脚のハウツー本などを目にするうちに、「股関節が柔らかいときれいなカラダになれる」とイメージするようになったようです。

 しかし、今のところ残念ながら、そのような効果は科学的に証明されていません。むしろ、一般の大人が180度開脚を目指すと深刻な障害につながるリスクが高く、トレーナーとしてはおすすめできないのです。

 人の体は、関節ごとに適度な可動域があり、関節が必要以上に動かないよう、制限がかかる構造になっています。なぜなら、靭帯を傷つけたり、骨同士がぶつかったりして、軟骨や靭帯を損傷する要因になるからです。

 体の中心であり、脚の動きを支える股関節は特に、非常に強い負荷がかかっています。そのため、股関節が簡単には外れないよう、大腿骨の周りにびっちりとある靭帯が、脚と骨盤をつないでいます。

 しかし、「180度開脚をしたいから」と、股関節を強い力で無理に広げ続けると、靭帯が引き延ばされ、緩み、傷つきます。すると、股関節が外れやすくなったり、骨格のアライメントが崩れたりして、痛みや姿勢が崩れる引き金になるのです。

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中野ジェームズ修一

スポーツトレーナー

1971年、長野県生まれ。フィジカルトレーナー。米国スポーツ医学会認定運動生理学士(ACSM/EP-C)。日本では数少ないメンタルとフィジカルの両面を指導できるトレーナー。「理論的かつ結果を出すトレーナー」として、卓球・福原愛、バドミントン・藤井瑞希らの現役時代を支えたほか、プロランナー神野大地、トランポリン競技選手など、多くのトップアスリートから信頼を集める。2014年以降、青山学院大駅伝チームのフィジカル強化指導を担当。東京・神楽坂に自身が技術責任者を務める会員制パーソナルトレーニング施設「CLUB100」がある。主な著書に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(サンマーク出版)、『青トレ 青学駅伝チームのコアトレーニング&ストレッチ』(徳間書店)、『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』(日経BP)などベストセラー多数。

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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