仕事の合間にできる効果的トレは「空気イス」 10秒でできるオススメ方法4種類を紹介
使われていない筋肉を目覚めさせてくれるアイソメトリック・トレーニング
肘を曲げるときは主に力こぶにあたる筋肉・上腕二頭筋が縮みながら力を発揮します(コンセントリック・トレーニング)。逆に肘を伸ばすときは、力こぶの筋肉が伸びながら力を発揮します(エキセントリック・トレーニング)。多くの方がイメージする筋トレは、このように筋肉を縮める・伸ばすをくり返すことで、筋肉に負荷を与えています。
そして、肘を一定の角度に曲げたまま、腕立て伏せの姿勢で静止すると、力こぶの筋肉は筋肉の長さを変えずに力を発揮します。これがアイソメトリック・トレーニングです。
このトレーニングでは筋肉を伸び縮みさせないことで、うっ血状態にします。すると脳が緊急事態と勘違いし、慌てて成長ホルモンを分泌するのです。
しかも、アイソメトリック・トレーニングは、使われていない筋肉を目覚めさせてくれます。
普段、私たちの体は最大筋力の60~70%で活動していると言われています。つまり、筋肉のなかには休眠中の部分もあるということ。危機的な状況で発揮される「火事場のバカ力」は、この休眠中の筋肉が稼働したことによるものです。アイソメトリック・トレーニングを行うと、この眠っている筋肉にスイッチを入れることができ、くまなく刺激できるのです。
私たちトレーナーは筋トレの最後に、このアイソメトリック・トレーニングを組み合わせます。例えば、プッシュアップで限界ギリギリまで追い込んだ後、最後に肘を曲げたまま腕立て伏せの姿勢でキープする、という具合です。すると、プッシュアップで追い込み切れなかった筋肉が働き始め、狙った部位をあますところなくトレーニングできます。