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適応障害で3か月寝たきり状態 「何だこの体は?」鏡に映った自分の姿に受けた衝撃から日本一に

Hitomiの背中を押した家族の言葉とは【写真:中戸川知世】
Hitomiの背中を押した家族の言葉とは【写真:中戸川知世】

背中を押した家族の言葉「楽しいと思うことをやって、早く笑顔になってね」

 少しずつだが、再び人生が動き出した。「息子との時間をしっかり作って、自分の時間も作って、気持ちをちゃんと戻そう」。そこからさらに何か一歩前に踏み出すきっかけを探していた時に出会ったのがボディコンテストだった。

 出場を決意すると、背中を家族が押してくれた。「元気になるんだったら、何でもやっていいよ。無理してたら休めばいいし、やらなくたっていい。とにかくHitomiが楽しいと思うことをやって、早く笑顔になってね」。夫のそんな言葉に支えられ、どんなことでも乗り越えられた。

 寝たきり状態から回復して1年後の6月、初めて大会に出場。10月から12月にかけては連戦に臨み、経験を積み重ねてきた。そしてこの日、掴んだ日本一の栄光。「大会に出る時は自分でメンタルを安定させないといけない。自信につながるし、1位をいただけたことで、やってきて良かったんだなと改めて思いました」。再起を果たした今、過去の自分と同じ境遇にいる人たちに想いを馳せる。

「私みたいに人生の途中で疲れちゃったり、なんかもういいや、と投げやりになることもあると思うんです。だけど、私が大会でちょっと活躍したことで、そういう方々に『立ち直ることができるかも』というような光を与えられたらと、おこがましいですが思っています」

 忘れたいほど辛い3か月を経て、再び戻った笑顔。表彰式後には、応援に駆けつけた家族と喜びを分かち合った。長年一緒にいるため普段はあまり褒めないという夫も、この日は「さすがだよ。良かったよ。綺麗過ぎた。かっこいい」と惜しみない賛辞を送ってくれた。

 早く笑顔になってね――。そんな家族の願いを実現させたHitomi。夫と息子と並んで記念撮影した際に浮かべた表情は、ステージの真ん中でスポットライトを浴びた時以上に輝いて見えた。

(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro-Muku)

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