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市民大会シーズン到来 初マラソン挑戦1か月前までに30km走をすべき“3つのワケ”

30km走次第でレース当日の心身にかかる負担は全く異なる

 3つ目はウェアやシューズのチェック。スピードに個人差はあるものの、初心者の場合、2時間は以上、走り続けることになります。すると履こうと思っていた靴下やランニングシューズが合わない、ウエアが首元や(男性の場合は)乳首にこすれて痛い、股ズレを起こしてしまったなど、10、20kmではわからなかったことがわかります。

 以上のことから、30km走をやるかやらないかで、レース当日の心身にかかる負担はまったく異なります。30km走はフルマラソンを安全に楽に走るために、とても助けになる練習なのです。

 しかし、レース1か月前の段階であまり練習を積めていない方は、「30km走らないとマズい!」と慌てないでください。

 フィジカルトレーナーの観点から言うと、初心者の方にまず目標にしてほしいのは、「10kmを脚を止めずに走ること」です。10kmを「よし、走らなきゃ!」と気合をいれなくても、日常的に、脚を止めずに走れる筋持久力と体力を作る。これが、フルマラソンに向けたトレーニング目標の第1段階です。

 次に、2週間または3週間に1回20km走をできる程度の筋持久力と体力をつける。これが第2段階。このように徐々に距離を増やし、3か月かけて30km走を走れる体をつくるのが理想的です。

 そして、レース本番の3か月前から、1か月に1回の30km走を行う。30km走は1回よりも2回、3回やっておいたほうが、楽に走れるので、3回程度走るのがベストです。

 とはいえ、初めて長距離を走る、フルマラソンに挑戦する人は、3か月で30km走を走るところまで体を作ることが難しい。ですから、本番1か月前に1回、走ることを目標に、練習を進めていけばOKです。

 30km走はなかなかタフな練習です。10km、20kmを走ったことがないのにチャレンジすると、故障の原因になります。フルマラソンのための練習でケガをしては、本末転倒ですよ。

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中野ジェームズ修一

スポーツトレーナー

1971年、長野県生まれ。フィジカルトレーナー。米国スポーツ医学会認定運動生理学士(ACSM/EP-C)。日本では数少ないメンタルとフィジカルの両面を指導できるトレーナー。「理論的かつ結果を出すトレーナー」として、卓球・福原愛、バドミントン・藤井瑞希らの現役時代を支えたほか、プロランナー神野大地、トランポリン競技選手など、多くのトップアスリートから信頼を集める。2014年以降、青山学院大駅伝チームのフィジカル強化指導を担当。東京・神楽坂に自身が技術責任者を務める会員制パーソナルトレーニング施設「CLUB100」がある。主な著書に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(サンマーク出版)、『青トレ 青学駅伝チームのコアトレーニング&ストレッチ』(徳間書店)、『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』(日経BP)などベストセラー多数。

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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