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「痩せたい女性の筋トレ」は本当に逆効果か 今日から家でできる“脚ヤセ法”を指南

「昔、筋肉だった肉が脂肪になった」説など都市伝説に惑わされずに

 それでも、絶対に脚を筋肥大させたくない、心配で刺激を入れたくないのであれば、スクワットやランジは避けた方がいいでしょう。下半身トレーニングと言えばスクワット! ランジ! というステレオタイプな発想は待つ必要はありません。トレーニングは自由です。

 下半身には、股関節、膝関節、足関節(足首)という3つの大きな関節があります。股関節を使うとお尻が、膝を使うと太ももが、足首を使うとふくらはぎが鍛えられます。スクワットやランジは、これら3つの関節を同時に使う「多関節運動」。どんなにフォームを工夫しても、太ももやふくらはぎを絶対に刺激しないのは不可能です(ある程度刺激を減らすことはできる)。そこで選ぶべきは、お尻だけに負荷が集中する種目、具体的に言うと股関節だけを使う種目です。その上で、脚に刺激がいかないよう、フォームを厳密にコントロールする。そうすれば、脚の筋肉をあまり使わずに、ヒップアップができます。

 もう一度言いますと、ものすごく筋肥大の才能のある女性は、自宅で行うスクワットでも脚が筋肥大して太くなる可能性もゼロではありません。しかし、食事との組み合わせで筋肥大よりも脂肪を削る効果を高めることは可能で、早く、なりたい体に到達できます。

 世の中には、「筋トレをすると脚が太くなる」説をはじめ、まだまだ筋肉や体脂肪に対する誤解があると感じます。「昔、筋肉だった肉が脂肪になった」説や「何度かダイエットを続けるうちに、筋肉と脂肪がミルフィーユ状に重なり太くなってしまった」説も意外と根強い。しかし、全く別組織である脂肪が筋肉に変化する生物などいませんし、「脂肪の上にできた筋肉はいったいどこの関節についているのですか?」と逆に質問したくなります。都市伝説に惑わされず、最短で目標に到達できるトレーニング法を見極めましょう。

 さて、家トレですが、関節の可動域を大きく使い、筋肉をよく縮め、よく伸ばし、代謝を上げる2種目でメニューを組み立てました。今回はヒップアップを目指しているので、最初の種目でお尻の筋肉を集中的に刺激。お尻の筋肉が疲れ、感覚が高まってきたところで、下半身全体を使う種目で代謝を上げていきます。2種目めのヒップスクワットは、スクワットでもなるべくお尻に負荷を集中するもの。股関節を深く曲げるほど、お尻がよく伸びて効果的です。腰を落とす際、上体を太ももの付け根から上体を折りたたむイメージで、行ってください。

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岡田 隆

1980年、愛知県生まれ。日体大准教授、柔道全日本男子チーム体力強化部門長、理学療法士。16年リオデジャネイロ五輪では、柔道7階級のメダル制覇に貢献。大学で教鞭を執りつつ、骨格筋評論家として「バズーカ岡田」の異名でテレビ、雑誌などメディアでも活躍。トレーニング科学からボディメーク、健康、ダイエットなど幅広いテーマで情報を発信する。また、現役ボディビルダーでもあり、2016年に日本社会人ボディビル選手権大会で優勝。「つけたいところに最速で筋肉をつける技術」「HIIT 体脂肪が落ちる最強トレーニング」(ともにサンマーク出版)他、著書多数。バズーカ岡田公式サイトhttps://bazooka-okada.jp/

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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