「苦しくても走れ」って誰が決めたのか “続かないランニング”を習慣化させる方法
コース設定の秘訣は「短い」「長い」2つのコースを用意すること
さて、次はコースです。スタートとゴールは自宅に設定。そして、1キロコースと3キロコースなど、短い距離・長い距離の2つを設けます。重要なのは、高い目標を掲げるだけでなく、低いハードルを設定すること。これだけで「疲れていても、とりあえず家を出てみよう」という気持ちを促します。
また、2コースとも、途中までは同じ道のりにしましょう。分かれ道までは、「どっちのコースにしようかな」と考えるアイドリングタイム。すると、走る前は「1キロでいいや」と思っていても、「今日は調子がいいな」「気持ちがいいかも」と心が変化し、長い距離を走りたくなることがあります。
私自身も、自宅周辺に6キロと12キロのランニングコースを設定しています。仕事で帰宅が遅くなると、トレーナーの私でさえ「今から1時間近く走るのはツライなあ…」とヤル気が起きません。このとき長距離コースの設定だけだと、「今日はやめよう」と確実に休んでしまう。でも短いコースを用意しておけば、「30分ならいけるかな」という気持ちになれる。結果、30分だけ走ったとしても、「今日も走れた」という成功体験になり、続けられる自信にもなるのです。
運動を習慣にするために必要な条件は、「根性」や「忍耐力」ではありません。重要性(自分にとって大事だと認識すること)と自信(できる見込み)です。この2つがカチッとハマれば、誰もが必ず、運動も続けられます。ヤセたい、体力をつけたい、健康診断の数値がよくなりたい。でも、何キロ走らなきゃ、何分で走らなきゃ、と勝手に高いハードルを掲げるから続かない。むしろ、思いっきりハードルを下げて、「この方法だったらできるかな」と思える目標設定や環境を作りましょう。
まずは気軽な気持ちで、1回、2回、家の周りを走ってみてください。その瞬間から、あなたの新たなランニング習慣がスタートします!
(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)