最近、問題になっている不良姿勢「スマホ首」 首・肩のこりにとどまらない悪影響
忙しい大人向けの健康術を指南する「THE ANSWER」の連載「30代からでも変われる! 中野式カラダ改造計画」。多くのアスリートを手掛けるフィジカルトレーナー・中野ジェームズ修一氏がビジネスパーソン向けの健康増進や体作りのアドバイスを送る。今回は「ヘッドフォワード」について。「THE ANSWER」公式YouTubeチャンネルの動画では、中野トレーナーが提案する「頭の位置を修正するストレッチ・メソッド」を紹介しています。
連載「30代からでも変われる! 中野式カラダ改造計画」
忙しい大人向けの健康術を指南する「THE ANSWER」の連載「30代からでも変われる! 中野式カラダ改造計画」。多くのアスリートを手掛けるフィジカルトレーナー・中野ジェームズ修一氏がビジネスパーソン向けの健康増進や体作りのアドバイスを送る。今回は「ヘッドフォワード」について。「THE ANSWER」公式YouTubeチャンネルの動画では、中野トレーナーが提案する「頭の位置を修正するストレッチ・メソッド」を紹介しています。
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最近、問題になっている不良姿勢のひとつ「ヘッドフォワード」。文字通り、頭が本来あるべき位置よりも前に突き出した姿勢を指し、「スマホ首」と表現されることもあります。
多くのビジネスマンは、仕事の時間のほとんどをパソコン作業に費やしています。最近はテレワークの導入に伴いオンラインの会議も増え、就業時間中、いよいよパソコンしか見ていない、という方も多いでしょう。
加えて仕事以外の時間も、テレビ、ゲーム、SNSとスマートフォンが手放せない方も少なくないと思います。こうして、1日中、パソコンやスマホの画面をのぞき込む姿勢をくり返し、長時間、頭を傾けた姿勢を過ごすことで、ヘッドフォワードの姿勢が体に染みついてしまうのです。
頭の重さは体重の約10%あると言われますが、この重みを支えるのは頚椎(首の骨)や首や肩、背中の筋肉です。しかも、頭の位置が2.5cm前に出るだけで、首に約4kgもの重みが余計にのしかかります。つまり頭の重さが8kgであれば、起きている間ずっと、12kgの重みを首が支えていることに。しかも、頭が前に傾くほど、首にかかる負荷は増えていきます。
ヘッドフォワードの人はこの負荷により、首や肩、背中の筋肉が緊張。血行不良を起こし、硬直します。そして、首の前側は短縮固定(縮んだ状態で固まっている)、首の後ろ側は伸張固定(伸びた状態で固まっている)され、頭を正しい位置に保てなくなります。
ヘッドフォワードによる悪影響は、「筋肉の血行不良による首や肩のこり」にとどまりません。目の奥の痛みや眩暈、頭痛、なかには手や腕にしびれが現れる人もいます。また、脳の酸素の供給量が減り、ボーっとする、集中力が落ちるといった障害が現れることも。仕事のパフォーマンスや健康状態に対し、かなりの悪影響が懸念されます。
「気づくとパソコンの画面を食い入るように見ている」「そういえば、最近、首のこりがひどい」という方は、ヘッドフォワードの疑いあり、です。この機会に姿勢を見直し、頭を本来の位置に戻していきましょう。