運動が苦手な人ほど、大人になるとランニングにハマる理由 急増する愛好者の心理とは
運動が苦手な人ほど、やる気につながる心肺機能の変化
運動による主な身体的変化は「筋肉量が増える」「体脂肪が減る」、そして「心肺機能が向上する」の3つです。ただし、筋肉量と体脂肪量は、変化が現れるまでに最低2、3か月は必要。ですから、例えば筋トレを始めてはみたものの、見た目の変化はなかなか現れず、「これだけ頑張っているのに全然変わらない」と挫折してしまいます。
一方、心肺機能は、1か月もあれば明らかに向上します。心肺機能が向上すると、例えば息が上がらなくなったり、楽に脚が前に出たりするようになります。「走るなんて絶対に無理だ」と思っていた人でも、走るたびに、どんどん、楽に、長く走れるようになっていく。このように早いうちから成果を実感できるので、運動が苦手な人ほど、やる気につながり、ランニングにハマっていくのです。
また、「達成感」を得られるのも、大人がランニングにハマりやすい理由です。
社会人なりたての20代の頃は、誰もが毎日、チャレンジの連続だったと思います。新たなプロジェクトに取り組む、人脈を開拓するなど、どんなに小さなことでも、成果を得るたびに達成感を得られたでしょう。しかし、社会経験を積み、30代、40代ともなると、仕事にも慣れ、刺激や達成感を得る機会もだんだんなくなってきます。
しかし、ランニングを続けていると、長い距離を楽に走れるようになったり、ハーフマラソンやフルマラソンにチャレンジしたり、そこで完走したり、タイムが上がったりと、達成感を得られる機会が多々あります。それが喜びにつながり、また次の目標にチャレンジしよう、というモチベーションにもつながります。
さらには、他人からポジティブな評価を得られやすい。例えば「フルマラソンに出場した」というと「すごいね!」と、周囲から尊敬の意がこもった言葉をかけられます。大人になると、人から「すごいね」と褒められることなど、なかなかないですよね。だからこそ、人から褒められるとものすごくうれしいし、また、継続する原動力にもなるのです。