運動が苦手な人ほど、大人になるとランニングにハマる理由 急増する愛好者の心理とは
忙しい大人向けの健康術を指南する「THE ANSWER」の連載「30代からでも変われる! 中野式カラダ改造計画」。多くのアスリートを手掛けるフィジカルトレーナー・中野ジェームズ修一氏がビジネスパーソン向けの健康増進や体作りのアドバイスを送る。今回は「運動が苦手な人ほど、大人になるとランニングにハマる理由」について。
連載「30代からでも変われる! 中野式カラダ改造計画」
忙しい大人向けの健康術を指南する「THE ANSWER」の連載「30代からでも変われる! 中野式カラダ改造計画」。多くのアスリートを手掛けるフィジカルトレーナー・中野ジェームズ修一氏がビジネスパーソン向けの健康増進や体作りのアドバイスを送る。今回は「運動が苦手な人ほど、大人になるとランニングにハマる理由」について。
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私は20年ほど前、アメリカのカルフォルニア州サンタモニカに住んでいました。そこは、フィットネスの本場。海沿いの道はTシャツに短パン、ブラトップにレオタード姿でランニングする人も多く、走った後、そのままカフェやレストランへ入って行く姿は、当たり前の光景でした。
一方、当時の日本は、スポーツウエアで東京の街中を歩いている大人は皆無といっていいほど。帰国後、アメリカと同じ感覚のままジャージ姿で仕事に向かってしまい、恥ずかしくなった記憶があります。でも、今では表参道をジャージで歩いていてもランニングしていても、奇異な目で見られません。そう考えると、当時の日本のフィットネス環境は、だいぶ遅れていたんだなあと感じます。
皆さんも、街中で走っている大人をよく見かけるようになったなと、感じていると思います。果たして日本はこの20年間に、「スポーツが得意な人」が増えたのでしょうか? いいえ、そんなことはありませんよね。これだけランニング人口が急増したのは、子どもの頃、若い頃は運動が苦手だった人たちが、走るようになったからです。
ではなぜ、運動が苦手な人ほど、大人になるとランニングにハマるのでしょう? これにはいくつかの理由があります。
まず、走ることは誰もがすぐにできます。例えば、球技やサーフィン、スノーボードなどは、そのスポーツを行うための技術が必要です。でも、走るだけならば、特別、技術の習得はいりません。その証拠に、運動経験のない人、苦手な人も走り続けてさえいれば、走れる距離はどんどん伸びていきます。最初は500mが精いっぱいだった人も、1km、2kmと、それこそ1週間単位で距離が伸びていき、早い人は3か月で10km程度は楽に走れるようになります。