ラグビーW杯

　ラグビーワールドカップ（W杯）フランス大会に出場中の日本代表は7日、8日のアルゼンチンとの1次リーグ最終戦に向けて決戦の地・ナントの郊外で練習を公開した。勝者が決勝トーナメント（T）に進出する大一番。一度は代表落選を味わったが、追加招集で復帰したFB山中亮平は今大会初めてリザーブ入り。日本スポーツ史に残る伝説のシーン再現をイメージした。

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　最後はこの男で締める。35歳の山中はノーサイドの笛を頭に描いた。

「イメージはしっかりとできている。僕が出ている時はチームが勝っている状態で、最後に締めるだけ。その準備はしてきた。後半のいつ出るわからないけど、自分の役割をやってチームを勝利に導きたい」

　4年前の日本大会。史上初の8強入りを決めたスコットランド戦で最後にボールを蹴り出したのが山中だった。この瞬間が日本テレビの瞬間最高視聴率53.7％をマーク。日本の歴史を塗り替えた。今大会の日本は終盤20分に失点を重ねているだけに、リザーブの山中が求められる役割は大きい。

　大会前の合宿にも参加したが、8月の本大会メンバー発表で落選を告げられた。「ラグビー人生、第3章のスタート」と一度は39歳で迎える2027年を目指すと宣言。しかし、イングランドとの第2戦で負傷したFBセミシ・マシレワが代表離脱し、世界各国の選手で構成される選抜チーム「バーバリアンズ」の遠征にいた山中が緊急招集された。

「第2章がまだ終わってなかったな」。サモアとの第3戦ではメンバー外だったが、大一番で名を連ねた35歳のベテラン。長いキャリアでも濃密で、激動の時間に充実感を漂わせた。

「経験できないような2か月を過ごしてきた。やるべきことを続けているだけ。この2か月ずっとそう。追加で呼ばれても自分のラグビーを続けているし、今、凄くラグビーが楽しい。バーバリアンズから楽しいと思えている。こっちでもプレッシャーがなく、自然体でプレーできているのは自分によってもよかった」