日本が持つ「生きるか死ぬか」の殺気 稲垣啓太が全員にぶつけた言葉「刀を振って倒しに行く」【ラグビーW杯】
アルゼンチン戦は「デスゾーン」
07年大会3位、15年大会4位だったアルゼンチン。昨年3月から率いるマイケル・チェイカ・ヘッドコーチは、15年大会でオーストラリア代表を準優勝に導いた。就任後は敵地でニュージーランド、イングランドを撃破。過去1勝5敗の日本は、1998年以来勝利がない。今大会はともに2勝1敗の勝ち点9で並び、得失点差でアルゼンチンが組2位、日本が同3位。最終戦で勝った方が8強に進む。
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この日はトゥールーズで練習せず、午後の航空機で決戦の地・ナントへ飛び立った。サモア戦を右ふくらはぎの負傷で急遽欠場したSH流大は、ここまで別メニュー調整。藤井ディレクターは「ギリギリまで様子を見ようと思っているけど、こればっかりは試合にならないとわからない」と話すにとどめた。
この日会見に出席したLOジャック・コーネルセンは「アルゼンチンは本当に情熱的なチーム。彼らのゲームをさせない。そこからジャパンのラグビーをしたい」と気合十分。「コーチからは一貫性を持ってやることを言われている。みんながハードワークをする。勝つためにハードワークをして、しっかりBKがアタックできるようにボールを繋ぎたい」と思い描いた。
7、8月の代表戦は1勝5敗。勝ちが少ないことは物足りないが、結果より内容重視で本番だけを見据えていた。藤井ディレクターは「外国人と日本人が一緒にやった時にどうやったら一番力が出るか、相手が嫌がるか。結束をつくってきた」と自信。「ジェイミー(ジョセフ・ヘッドコーチ)になってからの大一番。負ければ終わり。エベレストに例えると、今からデスゾーンに入る」と力を込めた。
目標のW杯優勝までの道のりを世界一高い山・エベレストの登頂に例える日本。指揮官は大会本番を酸素濃度の低い過酷な登山ルート「デスゾーン」になぞらえ、選手をマネジメントしてきた。苦しくても勇敢に立ち向かう桜戦士たち。山頂まで歩みを止めるわけにはいかない。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)