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「自分たちのグラウンドでもいい」 休止のラグビーTL、アマだからできる“危機対応”

新型コロナウィルスが日本のスポーツ界にもただならぬ影響を及ぼしている。日々刻々と変わる感染状況などを踏まえながら、一部順延されていたラグビートップリーグ(TL)は、9日に同月中の試合中止を発表した。選手の薬物使用問題が理由と説明されたが、ウィルス問題も踏まえた決定だったことは明らかで、4月からの開催の可否はいまだ見えてこない。

3月中の試合中止を発表したラグビーTL。4月以降の開催の可否はいまだ見えてこない【写真:Getty Images】
3月中の試合中止を発表したラグビーTL。4月以降の開催の可否はいまだ見えてこない【写真:Getty Images】

薬物使用問題もあり3月中の試合中止が決定、今後の状況次第では2つの選択肢が

 新型コロナウィルスが日本のスポーツ界にもただならぬ影響を及ぼしている。日々刻々と変わる感染状況などを踏まえながら、一部順延されていたラグビートップリーグ(TL)は、9日に同月中の試合中止を発表した。選手の薬物使用問題が理由と説明されたが、ウィルス問題も踏まえた決定だったことは明らかで、4月からの開催の可否はいまだ見えてこない。

 今月予定されていた全国高校選抜大会、高校日本代表のウェールズ遠征、4月の7人制プレ五輪大会(アジアゼブンズインビテーショナルズ2020)なども軒並み中止が決まっている。昨秋のワールドカップ(W杯)日本大会の盛り上がりを国内シーンに繋げようという勢いが減速し兼ねない事態に陥っている。

 日本ラグビー協会では、2月20日にTL終了後の5月23、30日に日本選手権を開催すると発表済みだ。この大会は、1963年の第1回からNHKが中継を続けてきた。ラグビー人気の低迷期も含めて、常に全国ネットで中継された経緯もあり、協会ではNHK側への相当な配慮がある。放映スケジュールが決まっている現段階での日程変更が難しいのが実情だ。今年度の日本選手権の出場チームはTL上位4チームということも踏まえると、TLの日程変更、順延は難しい。

 今月中にウィルスの感染が急速に低下しなければ、日本ラグビー協会はTLの開催に2つの選択肢を迫られることになる。1つは試合の中止であり、もう1つは無観客試合だ。もちろん日本ラグビー協会、TL運営サイドは、現時点では今後の通常開催をめざしているわけだが、一部の関係者は2つの選択肢について、こう触れている。

「中止と無観客という2つの選択肢では、安全面や現状の濃厚接触を減らすべきという観点で考えると、無観客試合にも問題点がある。政府も多くの人間の接触を控えるように声をかけている中で、多くが企業の社員である選手が濃厚接触する試合をすることにも議論がある」

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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