秩父宮が驚いた“世界最強フッカー”の妙技 子供たちに贈る、ジャッカルの3つのコツ
国内最高峰のラグビーリーグ、ジャパン・ラグビー・トップリーグ(TL)の第2節が18日、各地で行われた。秩父宮ラグビー場では、NTTコム(昨季5位)がサントリー(昨季2位)に10-22で敗れ、今季初黒星を喫した。敗れはしたものの、ワールドカップ(W杯)日本大会で優勝した南アフリカ代表HOマルコム・マークスが強烈な「ジャッカル」を披露。寒空の下、詰めかけたファンを沸かせた。
W杯優勝に貢献した南ア代表HOマークス、今季からNTTコムでプレー
国内最高峰のラグビーリーグ、ジャパン・ラグビー・トップリーグ(TL)の第2節が18日、各地で行われた。秩父宮ラグビー場では、NTTコム(昨季5位)がサントリー(昨季2位)に10-22で敗れ、今季初黒星を喫した。敗れはしたものの、ワールドカップ(W杯)日本大会で優勝した南アフリカ代表HOマルコム・マークスが強烈な「ジャッカル」を披露。寒空の下、詰めかけたファンを沸かせた。
W杯覇者のフィジカルを見せつけた。マークスは前半2分、敵陣で倒れ込んだ相手に対して覆いかぶさるようにボールにコンタクトすると、3人を相手にしながらも後ろに倒れ込んで奪取。身長189センチ、体重112キロを誇る“世界最強フッカー”が見せつけた見事な「ジャッカル」に、詰めかけた1万5826人のファンが度肝を抜かれた。試合後は「スコアボードを見ればサントリーが強いチームなのは一目瞭然だと思う」と話したが、強豪相手に圧倒的なパワーを示した。
昨年のW杯では、南アフリカを3度目の優勝に導いた。日本代表NO8姫野和樹で話題となった「ジャッカル」を得意とする。倒れた相手のボールを奪う、または相手の反則を誘うのに有効なプレーとされるが、マークスはそれ以外にも大きな意味があると語る。「ジャッカルでボールをスティールしに行くが、いつも取れるわけじゃない。最低でもしっかりと球出しを遅れさせて、自分たちのディフェンスラインがセットする、その数秒の時間を稼ぐ意味でもボールに対して働きかける意識を持っている」。自軍の守備陣形を整えるためにも、体を張り続けているのだ。
W杯後もラグビー熱は衰えることを知らない。興味を持つ子供たちも増えている。子供に「ジャッカル」のコツを伝えるとすれば――。そんな問いに、マークスは真摯に答えた。「まず、しっかりと自分がジャッカルに行くラックを選ぶこと。毎回ブレイクダウンに行くとうまくいかないときがあるので、ターンオーバーを勝ち取るためにしっかりと強い姿勢をボールに働きかけている時に保つこと。そして、敵がクリーンアウトしに来るということをしっかりと知っておくこと」。力強いプレーが繰り出せるのも、この3つの基本があってこそなのだろう。
チームは2試合を終えて1勝1敗。世界一に輝いた男も、TLはハイレベルと考えるようだ。「どのチームがどんな力を持っているかはまだ分かりづらいが、すべての試合がタフな試合になると思う。どの相手もかなり手強いだろう」。日本で見られる、世界最強HOの本気のプレーをこの目にしっかり焼き付けたい。
(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)