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世界が認めた1枚のスポーツ写真 伝説64歳フォトグラファーが誘う「見る者の思考の創造」【世界陸上】

ブダペスト世界陸上は19日から連日熱戦が繰り広げられている。「ドナウの真珠」と呼ばれる美しい街並みを誇るブダペスト。現地で取材する「THE ANSWER」では、選手や競技の魅力を伝えるほか、新たな価値観を探る連載「陸上界の真珠たち」を届けていく。

取材に応じた世界的スポーツ写真家ボブ・マーティン氏【写真:浜田洋平】
取材に応じた世界的スポーツ写真家ボブ・マーティン氏【写真:浜田洋平】

ブダペスト世界陸上連載「陸上界の真珠たち」第12回

 ブダペスト世界陸上は19日から連日熱戦が繰り広げられている。「ドナウの真珠」と呼ばれる美しい街並みを誇るブダペスト。現地で取材する「THE ANSWER」では、選手や競技の魅力を伝えるほか、新たな価値観を探る連載「陸上界の真珠たち」を届けていく。

 第12回は、64歳の世界的スポーツ写真家ボブ・マーティン氏が登場する。40年以上のキャリアで夏冬19度の五輪を経験。国際オリンピック委員会(IOC)の公式フォトグラファーや世界大会の設備、撮影エリアのコンサルタントを務めるなど世界的に認められる人物だ。前編では写真を愛し、いまだに情熱を持って仕事をする理由などに迫る。(取材・文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平、鉾久 真大)

 ◇ ◇ ◇

 情熱を持ち続け、アスリートたちの決定的瞬間を収めるフォトグラファーが世界陸上の会場にいる。「私はもう結構な歳だからね。正確な年数は思い出せないが、30~40年以上はフォトグラファーをやっているよ」。64歳、炎天下の日々が続くブダペスト。競技の合間、ゆっくりと椅子に腰を下ろした英国人のマーティン氏は、気さくな語り口で取材に応じてくれた。

 スポーツは動きのあるもの。その一瞬を切り取る魅力とは何か。

マーティン氏は今大会でも躍動感溢れる写真を撮影している【写真提供:Bob Martin】
マーティン氏は今大会でも躍動感溢れる写真を撮影している【写真提供:Bob Martin】

「難しい質問だ。歳を取るごとに変わってきたからね。20歳ぐらいの時は、疾走するアスリートの足が両方とも地面から離れているところを撮れたら満足していた。今はテクノロジーのおかげで簡単になった。年齢を重ねるにつれて、フォトグラファーとして興奮することが変わってきたんだ。

 もちろん、素晴らしい写真を撮りたいし、他人が素晴らしいと思う写真を撮りたい。賞を獲得する写真を撮るという原動力もあると思う。私も狙いたい。でも、いま本当に私を突き動かしているのは、他人が撮らないものを撮ることだ。他のフォトグラファーが見て、『おお、これは素敵だね』と思うようなものをね」

 IOC、ウィンブルドン、マスターズの公式フォトグラファーを務め、世界のカメラマンたちから一目置かれる伝説的存在。今回の取材中にも挨拶に来る仲間が何人もいた。権威ある英国の「スポーツ・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー」を3度受賞。2017年にはNPPAベスト・オブ・フォトジャーナリズム賞で誰もが欲しがる「スポーツ・フォトジャーナリスト・オブ・ザ・イヤー」を受賞した。

 撮影だけでなく、各世界大会のコンサルタント責任者も担当。技術と経験をもとに撮影位置、設備の助言を送り、スポーツの熱狂を世界に届けられるよう従事している。

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