「愛せるものが勉強と柔道」 朝比奈沙羅、代表落選の裏で貫いた文武両道の“美学”
東京五輪代表選考会の一つとなっている柔道グランドスラム(GS)大阪大会の最終日が24日、丸善インテックアリーナ大阪で行われ、女子78キロ超級は18年世界選手権女王・朝比奈沙羅(パーク24)が銅メダルとなった。ライバルの素根輝(環太平洋大)が優勝し、わずか1枠の代表権を獲得。朝比奈の東京五輪出場の夢は散ったが、努力の裏には医学との文武両道を貫く23歳の“美学”があった。
医学と柔道、両立させる朝比奈沙羅「人に勉強しないといけないと言うつもりはない」
東京五輪代表選考会の一つとなっている柔道グランドスラム(GS)大阪大会の最終日が24日、丸善インテックアリーナ大阪で行われ、女子78キロ超級は18年世界選手権女王・朝比奈沙羅(パーク24)が銅メダルとなった。ライバルの素根輝(環太平洋大)が優勝し、わずか1枠の代表権を獲得。朝比奈の東京五輪出場の夢は散ったが、努力の裏には医学との文武両道を貫く23歳の“美学”があった。
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しっかりと投げられた。優勝が必要な朝比奈は、ソウザ(ブラジル)との準々決勝。残り38秒だった。足を取られ、豪快に肩から叩きつけられる。審判の手が上がった。大外巻込で一本。仰向けに天井を見上げ、畳についた背中は縫いつけられたようになかなか離れない。ゆっくりと起き上がり、相手の勝ち名乗りを聞いて深々と礼をした。夢が大きく遠のいた瞬間だった。
「思い切り投げられて負けた。(けがで)2週間しか練習できなかったので、それを考えたらよくやったと思う。やれることはやってきた。でも、金メダルじゃないと合格点はあげられない」
五輪は男女7階級で出場権は各階級1人。今夏の世界選手権優勝者が今大会を制し、強化委員会で3分の2以上の賛成を得られれば五輪に内定する。女子78キロ超級では、今夏の世界女王の素根が優勝すれば、代表内定の可能性が高まる状況だった。朝比奈は敗者復活戦の末に3位決定戦で勝利。意地を見せたが、素根が初優勝をもぎ取り、強化委員会の満場一致で代表に内定した。朝比奈はライバル対決で3連勝後に直近5連敗。19歳の成長ぶりを見せつけられていた。