井上尚弥、家族で掴んだV 9回ピンチで“初体験”を告白「息子の顔が一瞬よぎった」
ボクシングのワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)のバンタム級決勝を制したWBA・IBF王者の井上尚弥(大橋)が8日、横浜市内の所属ジムで一夜明け会見を行った。前夜はWBAスーパー王者ノニト・ドネア(フィリピン)に判定勝ち。自身3年半ぶりとなった12ラウンドの死闘を振り返った。
ドネア戦の死闘から一夜、大橋ジムで会見「一睡もできてない。不思議な感覚」
ボクシングのワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)のバンタム級決勝を制したWBA・IBF王者の井上尚弥(大橋)が8日、横浜市内の所属ジムで一夜明け会見を行った。前夜はWBAスーパー王者ノニト・ドネア(フィリピン)に判定勝ち。自身3年半ぶりとなった12ラウンドの死闘を振り返った。
「世代交代」を宣言したバンタム級頂上決戦を制し、WBSS優勝を果たした。2回にはドネア自慢の左フックを受け、右目上をカットした。ボクサー人生初のアクシデントで流血。5針を縫う激闘から一夜、心境を吐露した。
「眠いです。一睡もできていない。眠いけど、アドレナリンで眠れない不思議な感覚です」と語った尚弥。「ちょこちょこ打たれたので、後頭部にちょっと痛みがある。今までにない体の状態」としながら「心地がいいですね。やっと世界戦をやれた、ボクサーになれたという感じです。傷があって。変な気持ちですね」と独特の表現で充実感をにじませた。
激闘の裏で家族の支えがおおきかったという。「9回のピンチを乗り越えられたのは、息子(2歳の明波君)の存在が大きい。バチンと効いて、息子の顔が一瞬よぎった。初めてですね。やっぱり家族の存在がボクシングに与える影響はデカいなと」と明かした。「これから家族とゆっくりしながら普通の生活がしたい。平和な日常が戻ってくる嬉しさを噛みしめたい」と笑った。
セミファイナルでは、弟・拓真(大橋)がWBC同級王座統一戦で正規王者ノルディ・ウーバーリに判定負けした。WBC王座を巡っては、23日(日本時間24日)に米ラスベガスで、前WBC王者ルイス・ネリ(メキシコ)と前IBF王者エマヌエル・ロドリゲスが挑戦者決定戦で激突。勝者がウーバーリに挑戦することが基本線だが、井上は試合後のリング上でウーバーリへの敵討ちを宣言した。
この日も「しばらくバンタム級に残って、まだまだやりたい選手がいる。スーパーバンタム級が適正階級だと思ったら陣営と相談したい」とした上で「自分はウーバーリとやりたい。気持ち的には拓真の敵討ちがしたい」と改めて挑戦状を送った。
WBA、WBC、IBF、WBOの主要4団体のうち、現在のバンタム級は井上がWBAスーパー、IBFの2団体を保持。WBC王者にウーバーリ、WBO王者にはゾラニ・テテ(南アフリカ)がいる。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)