人種を超えた“無償のバスケ愛” NBAファンが24年貫く信念「バスケは地球最高の…」
米プロバスケットボール(NBA)のプレシーズンゲームが、8日と10日にさいたまスーパーアリーナで行われた。昨季王者トロント・ラプターズと今季優勝候補のヒューストン・ロケッツの好カード。16年ぶりの日本開催となったNBAは、第1戦に2万348人、第2戦に2万413人と合計4万761人のファンが集まった。
多民族都市・トロント、ラプターズの68歳名物ファンが“バスケ愛”を貫く理由
「バスケは地球上最高のエンターテインメントさ」
一人のバスケファンが、何の疑いもなく言った。
米プロバスケットボール(NBA)のプレシーズンゲームが、8日と10日にさいたまスーパーアリーナで行われた。昨季王者トロント・ラプターズと今季優勝候補のヒューストン・ロケッツの好カード。16年ぶりの日本開催となったNBAは、第1戦に2万348人、第2戦に2万413人と合計4万761人のファンが集まった。錦織圭、大坂なおみ、ルイス・ハミルトンらも観戦。そんな超豪華なコートサイドの傍らには、熱烈な一人のおじさんの姿があった。
やはりあの人は、よく目立つ。身長2メートル前後のNBAプレーヤーたちが暴れ回る煌びやかなバスケットコート。豪快なダンクや高速ドライブ、鮮やかなシュートを目で追うと、ゴール横のある人物がどうしても目に入る。ターバンにモジャモジャのひげ、そしてラプターズのユニフォーム。NBAファンなら、テレビ画面に見切れるこのファンを目にしたことのある人もいるだろう。
ラプターズからも「SUPER FAN」と称されるのは、インド出身のナヴィ・バティアさんだ。34年前にカナダ・トロントに移住。1995年のチーム結成以来、全てのホームゲームを観戦してきたという。応援ユニフォームの背中に刻まれた「95」の数字がファン歴の長さを物語る。
ラプターズの浮き沈み、全ての歴史を熱く見守ってきた。68歳の今もその熱は冷めることはない。「レッツゴー、ラプターズ!」のチャントでは声を張り上げる。昨季はチーム創設24シーズン目で初のNBAチャンピオンに輝き、ファンとしても悲願を達成した。もはや選手やファンにも顔なじみの存在。今回の2試合でも、写真攻めにも快く応じ「日本人のファンたちは世界で最も礼儀正しい。情熱的だし、本当に大好きだよ」と笑みを浮かべる。そして試合中も最前列からラプターズ愛を溢れさせた。
「ラプターズができた最初の日から24年間ずっとファンだよ。バスケが大好きで、もはや“バスケ中毒”なんだ。それに私は酒も飲まないし、タバコも吸わない。ラプターズに多くの金を使っているのはわかっているが、過去33年間一生懸命働いてきたからね」