[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

旧国立に6万7000人を呼んだ男、“貴公子”本城和彦は今、テレビマンになっていた

1980年代に早大不動の司令塔として活躍した本城和彦氏【写真:吉田宏】
1980年代に早大不動の司令塔として活躍した本城和彦氏【写真:吉田宏】

大事なのは選手が戦術を共有し、組織として機能すること

「昨年11月のテストマッチをみても、順調に準備は進んでいるのかなという印象です。戦い方というのはチーム、指導者で様々なので、それはジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)がしっかりと決めて準備していけばいいこと。どれがいい、悪いということは、議論してもしようがないと思います。やりたいラグビーを、本当にコーチングスタッフと選手が共有して、そのレベルをどこまで上げていくのかということが重要です」

【特集】“欽ちゃん球団監督”片岡安祐美の今 2度の流産を経て母に…思春期の後悔「生理に見て見ぬふりを」(W-ANS ACADEMYへ)

 ラグビーでは、戦術をメンバー全員がしっかりと共有することを“セイムページ(同じページ)を見る”と表現する。本城氏が活躍した早大ラグビー部こそ、チームがいかにセイムページを見るかに、こだわり続けてきたチーム。周到に準備した戦術のもとに、いかに個々の選手が求められた役割を果たし、組織が機能するかを追求してきたのが、早大ラグビーの神髄だ。ラグビーのスタイルは異なっても、日本代表に求める根幹の部分は早大と変わらない。

 本城氏が戦術以上に関心を持つのは、8強入りをかけて挑むプール戦4試合を、いかに戦っていくかという戦略だ。そこには、もう1つの日本代表の戦いぶりを重ね合わせている。7人制ラグビーが初めて五輪種目となった2016年リオデジャネイロ五輪で4位に輝いた7人制男子日本代表だ。

 本城氏は7人制代表強化委員長として、瀬川智広ヘッドコーチをサポートし、リオデジャネイロでの躍進を後押しした。いまや別競技といえるほど選手に求められる技術、戦術も異なる15人制と7人制ラグビー。だが、世界最強を争う大会を戦い、勝ち抜くための術は共通するものがある。

「今回(15人制代表が)ベスト8入りするためにはアイルランド、スコットランドという強豪から最低1勝が必要と考えられています。簡単ではないけれど、勝てるか勝てないかと聞かれれば、僕は勝てると思っています。正直なところ、実力は相手が上でしょう。でも、コンディションとかゲームの流れを上手く掴めば、アイルランドに勝つことは不可能じゃない。今年の6か国対抗でのアイルランドの戦いぶりをみても、チャンスはスコットランドも含めてあると思う」

1 2 3 4

吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集