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「ベスト4は不可能じゃない」 2大会連続主将・箕内拓郎が日本代表に期待する根拠

箕内氏は「強度の高い試合が足りない」と課題を指摘した【写真:吉田宏】
箕内氏は「強度の高い試合が足りない」と課題を指摘した【写真:吉田宏】

継続的な強化で進化も課題も指摘「強度の高い試合が足りない」

 2大会連続で主将を務めた箕内氏が常に訴え続けていたのが、強化の継続性だった。代表では向井昭吾、萩本光威、ジョン・カーワンら個性の異なる指導者の下でリーダーとしてプレーしてきた。コーチが代わると、再びゼロから始まる効率の悪さを目の当たりにしたからこそ、継続的な強化が日本ラグビーの課題だと痛感してきた。しかしエディー・ジョーンズ、ジェイミー・ジョセフという世界トップクラスの指導者が就任。指導体制の整備が進んだこともあり継続的な強化が行われていることを実感する。

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 現在の日本代表に期待感を抱きながらワールドカップを待つ箕内氏だが、気がかりな部分もあるという。

「スケジュール上、仕方がないんでしょうが、ワールドカップイヤーには強度の高い試合を代表チームとしてこなす回数が足りないのかなと感じています。もちろん昨年まで毎シーズン、ティア1の強豪と戦ってきた。今季に関してもチーム内ではしっかりとプランニングしているはずです。ただ僕の経験で考えると、ワールドカップのプレシーズンに強度の高い試合を、ある程度メンバーを固めた状態でもう2、3試合して欲しかったし、見たかった」

 日本代表は昨年11月のイングランド遠征を最後にテストマッチから遠ざかっている。ラグビーの統括団体「ワールドラグビー」が春のウインドウ・マンス(代表戦月間)を6月から7月に遅らせた影響もあるが、次のテストマッチは7月27日のフィジー代表戦だ。日本代表の首脳陣は、昨秋からの長い“空白期間”を埋めることも踏まえて代表候補メンバーによるチーム「ウルフパック」を編成して、スーパーラグビーの2軍チームらと6試合を行った。だが箕内は、この練習試合にも疑問を持つ。

「たとえば、ウルフパックが対戦したブランビーズBは、集まってから試合までの練習を2、3回しかやってないと聞きました。だから、代表を鍛えるための強度という面では不十分でしたね。もし日本代表メンバーにある程度以上の実力のある相手と試合をさせたかったのであれば、ウルフパックではなくやはりサンウルブズだったのかなと思います。それも、ウルフパックがどういう目的で試合をしたかによります。あの試合で何をしたかったかです」

 いまや指導者としての視線で強化を考える箕内氏にとっては、試合によるチーム強化は、強く興味を持つエリアだ。ターゲットに置くのは、もちろんワールドカップ日本大会にほかならない。6月26日現在のワールドラグビー・ランキングで11位の日本にとっては、同3位のアイルランド、同7位のスコットランドを倒すことが最大のテーマだ。ワールドカップへの準備としては、この“2強”との戦いをシミュレーションする試合をするべきだが、開幕までに予定されているフィジー、トンガ、米国、そして南アフリカという4チームとの試合では物足りないという。

「実際にワールドカップで対戦する相手に近い実力を持つのは、フィジーと南アフリカの2か国くらいです。それに南アフリカ戦は、開幕直前なので強化試合としては難しい部分もある。もうすこしアイルランド、スコットランドのようなタイプのチームとの試合が見たかったなと思います。これも、首脳陣の中でしっかりとプランニングされていて、ワールドカップで結果がでるなら、外部からどうこう言うことではありませんが」

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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