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一夜でかき消した「衰えた」の声 井上尚弥32歳、最大の強敵を沈黙させた“初心”への回帰

ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が14日、名古屋市のIGアリーナでWBA世界同級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)との防衛戦に臨み、3-0(118-110×2、117-111)の判定勝ちを収めた。「最大の強敵」を退けるため“初心”に戻った井上。「衰えた」との声を一夜にして消し去り、怪物がまたも強さを証明した。戦績は32歳の井上が31勝(27KO)、30歳のアフマダリエフが14勝(11KO)2敗。

アフマダリエフに勝利した井上尚弥(左)【写真:産経新聞社】
アフマダリエフに勝利した井上尚弥(左)【写真:産経新聞社】

アフマダリエフに3-0判定勝ち

 ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が14日、名古屋市のIGアリーナでWBA世界同級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)との防衛戦に臨み、3-0(118-110×2、117-111)の判定勝ちを収めた。「最大の強敵」を退けるため“初心”に戻った井上。「衰えた」との声を一夜にして消し去り、怪物がまたも強さを証明した。戦績は32歳の井上が31勝(27KO)、30歳のアフマダリエフが14勝(11KO)2敗。

 約1万6000人の大歓声の中、決戦のゴングが響いた。初回は互いに出方を見る展開。井上は鋭い左ジャブを光らせ間合いを測った。「尚弥」コールを目いっぱい背中に浴び、次第に主導権を掌握。4回に右ストレート、右フックを的確にヒットさせた。アフマダリエフも強打を放ったが井上はことごとくよけ続けた。

 中盤以降はペースをあげ、高速フェイントを織り交ぜながらアフマダリエフを圧倒。6回には右アッパーに左ボディーを連打で浴びせダメージを与える。終盤はワンツーで組み立てスピードの差を見せつけた。最終12回を終えて抱き合った両者。結果は判定に持ち込まれたが、力の差は歴然だった。

「キャリア最大の強敵」。百戦錬磨の井上が警戒心を強めていた。

 アフマダリエフは元WBA&IBF統一王者で、2016年のリオデジャネイロ五輪ではバンタム級で銅メダルを獲得。実績に伴った自信を持つ。この試合が実現するまでに時間がかかっていたこともあり、井上へ「逃げている」「武士道を重んじ、サムライとして振る舞うならば切腹以外にない」などと強気な言葉を並べていた。

 挑発的な言動、態度を繰り返してきたが、来日後はその印象を一変させた。敵地・大橋ジムで行った公開練習。シャドーとミット打ちを軽く披露したのみで手の内を明かさなかったが、帰り際に挨拶をしようと大橋秀行会長を自ら探す姿があった。思わぬ行動に大橋会長も目を丸くした。

 極めつけは公式会見での対応。「尊敬する相手へ贈るもの」として伝統的な民族衣装「チャパン」を井上陣営にプレゼント。会場には友好的なムードが広がった。これまでの挑発的な発言も「(井上を)侮辱したり、体が小さいと言いたかったわけじゃない。ただこの階級は私に適した階級だと強調したかった」と弁明した。

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