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世界陸上へ…田中希実の真剣な願い「早く自分が戻ってきますように」 短冊に記した意味、突き詰める“無心”

1500メートルと5000メートルの2種目で世界陸上の代表内定した田中【写真:奥井隆史】
1500メートルと5000メートルの2種目で世界陸上の代表内定した田中【写真:奥井隆史】

七夕の短冊に記した「早く自分が戻ってきますように」の意味

 この日は七夕。会見場には笹が用意され、各選手が願い事を記した短冊を吊るした。「早く自分が戻ってきますように」としたためた田中は、「なに言っとんやこいつ、みたいな願い事なんですけど……」と笑いつつ、込めた想いを明かした。

「今シーズン、自分を見失うこと、自分で自分がわからなくなることがすごく多かった。『自分らしさってなんだろう』と変に考えすぎることによって、余計に自分がわからなくなったり、ということがすごく多かった」

 日本選手権でも何度も「自分らしさ」と向き合う機会があった。「1回無心になって走った時に『これが自分らしさじゃないか』と思ったりもした」が、最終日の1500メートル決勝では納得のレースができず。「すごく怒って周りの人に迷惑をかけたり、振り回したりした」。そんな一面も「自分らしさ」と認識しつつ、「そんな自分らしさは嫌だという部分もある」と内省した。

 その上で「そこを大事にしないと、本当の無心になっていく『真の自分らしさ』もなくなってしまうかもしれない。そこがすごく分からないところで、それぐらい『自分』というのは流動的で全然定まらないもの」と思慮深く言葉を紡ぎ、「昔はそれも何も考えずに固定として自分というものがあったので、その自分が早く戻ってきたらいいなと思っている」と願った。

 4日の5000メートル決勝で21年ぶりに大会記録を塗り替えた後、田中は「最近の中ではやっと自分らしい走りはできたと思う。今まで世界と戦えるようにとか、ぐずぐず言って、自分で自分の足を引っ張ってしまっていたので、自分を許さないという気持ちで走って、今やっと許せたと思います」と語った。一筋縄ではいかない「自分」ととことん向き合い、9月の東京で世界に挑む。

(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)


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