完敗ネリ、母国メディアに胸張る「間違いなく俺は日本の脅威」「日本で2勝した唯一のメキシコ人だ」
ボクシングの世界スーパーバンタム級(55.3キロ以下)4団体タイトルマッチ12回戦が6日、東京ドームで行われ、王者・井上尚弥(大橋)がWBC1位の指名挑戦者ルイス・ネリ(メキシコ)に6回1分22秒TKO勝ちした。34年ぶりに開催された東京Dボクシング興行。敗れたネリは病院へ直行し、会見などは行われなかったが、母国メキシコメディアが本人の言葉を伝えている。
井上尚弥と対戦、初回ダウン奪取も6回TKO負け
ボクシングの世界スーパーバンタム級(55.3キロ以下)4団体タイトルマッチ12回戦が6日、東京ドームで行われ、王者・井上尚弥(大橋)がWBC1位の指名挑戦者ルイス・ネリ(メキシコ)に6回1分22秒TKO勝ちした。34年ぶりに開催された東京Dボクシング興行。敗れたネリは病院へ直行し、会見などは行われなかったが、母国メキシコメディアが本人の言葉を伝えている。
初回に左フックを井上の顎に着弾させ、ダウンを奪ったネリ。しかし、そこからモンスターに盛り返されると、計3度のダウンを喫し、6回TKOで敗れた。ダメージの色濃いネリは決着後、すぐに立ち上がれず呆然。試合後、井上と健闘を称え合う握手を交わしたが、病院へ直行。関係者からは「本日のネリ選手のインタビューは大事を取って病院に行くため、実施はなしとなりました」とアナウンスされた。
メキシコメディア「アステカTV」は、試合後のネリのコメントを記事で伝えた。番狂わせとはならなかったが「悪くない気分で帰国するだろう。なぜなら、来日する前から言っているように、ここには戦いにきたんだ。フルトンのように勝ちをプレゼントしにきたわけではない。戦いにきた。このことはノックアウトされようが、ノックアウトしようが最初から変わらない」と満足している様子もうかがえる。
「試合ではノックアウトされて負けてしまったが、ダウンを獲ることができた。相手は俺に抱きついて(クリンチして)きた」
ネリは2017年8月の山中慎介戦の薬物検査で陽性反応。18年3月の再戦は大幅な体重超過でWBC世界バンタム級王座を剥奪された。ともに勝利したが、日本ボクシングコミッション(JBC)から国内のライセンス無期限停止処分に。海外でリング復帰し、20年9月にスーパーバンタム級で世界2階級制覇。今年2月、ネリと陣営はJBCに謝罪と資格回復を求める書面を提出。規定に基づき、処分が解除されていた。
ネリは「ここ(日本)で2勝することができたし、最強のチャンピオンをダウンすることができたから気分は悪くなく帰国できる。負けてはしまったが、嬉しい気持ちもある」と山中戦と合わせた3戦の印象をコメント。「まだあきらめたわけではない。間違いなく俺は日本にとって、脅威の存在になったし、この国で2勝した唯一のメキシコ人だ。今までダウンされたことがなかった相手をダウンさせたことは誇りに思うよ」とも語っている。
(THE ANSWER編集部)