ネリは悪童か、優等生か 井上尚弥戦へ、羽田空港で本人を直撃「本物のネリとして言うなら…」
処分解除に持論「イノウエは自分の名前を売らないといけない」
ネリは2017年8月の山中戦の薬物検査で陽性反応が出た。18年3月の再戦は大幅な体重超過でWBC世界バンタム級王座を剥奪。ともに勝利したが、日本ボクシングコミッション(JBC)から国内のライセンス無期限停止処分を受けた。海外でリング復帰し、20年9月にスーパーバンタム級で世界2階級制覇。今年2月、ネリ陣営はJBCに謝罪と資格回復を求める書面を提出。規定に基づき、処分が解除された。
この日は処分が解除されたことについて、「イノウエは自分の名前を売らないといけない。ネリは見せ場のある選手。だから許されたのだろう」と持論を展開。「この件(処分解除)については、関係者みんなが現実的な判断をしたということ。興行を現実的に考えた結果だ」と話した。
海外メディアでは、井上戦を含めあと2試合で引退すると言及していた。この日は日本メディアに真意を聞かれ、「おそらくそうなる。年末に引退する。やりたいことはまだあるんだ」と説明。「(以前は)28歳で引退すると言ったけど、今は29歳。5年後も同じことをやっているかもね」と笑い、妻、娘3人と来日し「女の人に囲まれて住んでいる」と冗舌だった。
通常なら1週間から10日ほど前に来日する選手が多いが、今回は「時差と気候に慣れるため」と2週間前に設定した。東京Dのボクシング興行は1990年のマイク・タイソン以来34年ぶり。強気な発言とは裏腹に、取材中は両手を体の前に組みながら礼儀正しく話す時間が長かった。「とても嬉しく思う。この試合、興行が成功することを祈る」。まずは順調に減量を終え、リングに立つことが願われる。
○…Amazon プライム・ビデオにて「Prime Video presents Live Boxing」の第8弾として独占生配信される。井上―ネリ戦のほか、元K-1王者・武居由樹(大橋)がWBO世界バンタム級王者ジェイソン・マロニー(豪州)に世界初挑戦。井上の弟のWBA世界同級王者・拓真(大橋)が同級1位・石田匠(井岡)と2度目の防衛戦を行う。WBA世界フライ級王者・ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)は同級3位・桑原拓(大橋)と初防衛戦。同じ興行で世界戦4試合は国内史上最多の規模となる。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)