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「全然違う」と指揮官が舌を巻く“スイッチ”入った比江島慎 河村勇輝も脱帽したエースの働き

バスケットボール男子の天皇杯全日本選手権は10日準々決勝を行い、横浜武道館ではB1リーグ所属の宇都宮ブレックスが、横浜ビー・コルセアーズ(BC)に81-65で勝利し準決勝進出を決めた。比江島慎が3Pシュートを10本試みて7本沈めるなど、両チーム最多の27得点と大暴れ。「モードに入っていた」と指揮官も舌を巻く絶好調ぶりに、横浜BCのエース・河村勇輝も「しっかり決め切った比江島選手が本当に素晴らしかった」と脱帽だ。

宇都宮ブレックス・比江島慎【写真:B.LEAGUE】
宇都宮ブレックス・比江島慎【写真:B.LEAGUE】

バスケ天皇杯準々決勝では宇都宮が横浜BCに勝利

 バスケットボール男子の天皇杯全日本選手権は10日準々決勝を行い、横浜武道館ではB1リーグ所属の宇都宮ブレックスが、横浜ビー・コルセアーズ(BC)に81-65で勝利し準決勝進出を決めた。比江島慎が3Pシュートを10本試みて7本沈めるなど、両チーム最多の27得点と大暴れ。「モードに入っていた」と指揮官も舌を巻く絶好調ぶりに、横浜BCのエース・河村勇輝も「しっかり決め切った比江島選手が本当に素晴らしかった」と脱帽だ。


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 第1クォーター(Q)から「比江島タイム」が発動した。2本の3Pシュートを立て続けに決めるなど8得点。敵地の一角を黄色く染めた宇都宮ブースターから「ひ・え・じ・ま・ま・こ・と!」の大合唱が起こった。第2Q残り1分42秒には、相手に倒されながらも3Pシュートを成功させ、フリースロー(FT)も沈める“4点プレー”で会場を沸かせた。昨夏のワールドカップ(W杯)で話題となった、指を3本広げるお得意のポーズも披露。27得点は両チーム最多、3Pは10本中7本を決め、成功率は驚異の70%だった。

 レギュラーシーズンとは違う、負けたら終わりのトーナメント戦。「何としても勝ちたい」。初の天皇杯制覇を目指す比江島の静かな闘志を周囲は感じ取っていた。佐々宜央ヘッドコーチ(HC)は「すごく“比江島スイッチ”が入っていたのは試合前からみんな気付いていた。本当にモードに入っていた。表情が全然違う」と振り返る。「毎日やってほしい」と冗談交じりに期待するほど、この日の比江島は圧倒的だった。

 比江島本人も「すごく感覚が良かったので、打てば入るんじゃないかと思っていた」と今シーズン随一のシュートタッチだったと自画自賛。「僕が最近調子良いことを相手が警戒してきた中でも、しっかり打ち切れた」。厳しいマークを受けながらも、エースとしての働きを果たせたことに満足げにうなずいた。

 一時相手に傾きかけた流れを引き戻したのも比江島だった。横浜BCに連続得点を許し、12点あったリードが一気に4点差まで縮まった第3Q残り7分22秒のタイムアウト明け。この日6本目の3Pシュートを決め、反撃ムードを断ち切った。横浜BCのエース河村も「絶対ストップしないといけない場面でフリーにさせてしまった。そこをしっかり決め切った比江島選手が本当に素晴らしかった」と脱帽した。

 比江島と共に、昨夏のW杯で日本代表のパリ五輪出場権獲得に貢献した河村は、この日は対照的にシュートタッチに苦しんだ。「全部入ると思って打った」3Pは5本試みて1本も決まらず。途中からドライブ中心に切り替えてファウルを誘い、FTだけで13点を稼ぐなど19得点を挙げたが及ばなかった。「相手エースの比江島選手や(DJ)ニュービル選手が大事な場面でずっと決め続けた。逆に僕は決め切れなかった。この差だった」と、エースの明暗が勝敗を分けたと悔いた。

(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro-Muku)

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