熾烈な競争が「本当に楽しい」 B1三河の26歳PG久保田義章、“得点減”も覚悟して移籍した理由
ベテランの柏木真介から引き継ぐ伝統
迷いはないが、まだまだ能力のすべてを発揮できているわけではなさそうだ。リッチマンHCは育成に定評があるが、それに加えて三河には百戦錬磨の柏木がいる。そうした環境も若き司令塔をさらなる高みへと引き上げるだろう。
「基本的に柏木さんと一緒にいますね。(遠征の)バスでも前後ろだし、遠征先で食事に行くってなったら『柏木さん行きましょうよ』みたいな感じで一緒に行きます。選手としても人としても、オンコートでもオフコートでも学ぶことがたくさんあります。練習中でも試合中でもすぐにアドバイスをくれるので、本当にありがたい。いろいろな経験をされているので、近くにいればいろんな話をしてもらえるので、プラスしかないですね」
以前、柏木から三河に移籍した頃の話を聞いたことがある。
「僕は若い頃、先輩とずっと一緒にいたんですよね。それこそ佐古(賢一)さんとか、毎試合終わってから、一緒にご飯を食べにいって、自分から『今日どうでした?』って聞いていたし、先輩もアドバイスをしてくれました。そういうことを繰り返して、先輩の姿を見ながら成長させてもらったというのがあるので、今同じことを若手にしてあげたいという気持ちがあります」(柏木)
NBAからの新しい風と脈々と受け継がれる伝統。その2つの力で、久保田をはじめ、若き選手が飛躍を遂げれば、“特別なこと”を成し遂げられるはずだ。
(山田 智子 / Tomoko Yamada)