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「記憶がないぐらいあっという間…」 予選落ちに悔しさが滲む、走り幅跳び・秦澄美鈴の笑み【世界陸上】

全体23番手で決勝進出はならなかった【写真:奥井隆司】
全体23番手で決勝進出はならなかった【写真:奥井隆司】

日本記録を出して迎えた今大会「それだけ跳べると見られる」

 さらに7月のアジア選手権では、2006年池田久美子の日本記録を11センチ上回る6メートル97をマーク。17年ぶりの快挙を達成し、今大会を迎えた。

「6メートル97を跳んだというのもたった1回きり。気負うほどの効果にはならなかったけど、それだけ跳べるというふうにも見られるでしょうし、自分の中で感じてない部分でもしかしたら何か感じていた部分はあったかもしれないです。ピットに立つ前までは、(昨年との気持ちに)そんなに違いを感じることはなかったけど、ピットに立った時に『(世界と)肩を並べて戦える』と思っていたので、その辺りは気持ちに違いはあったかなと思います」

 課題は1本目から力を発揮することだ。来年にはパリ五輪が控える。

「パリ五輪で同じようなことにならないように。予選突破を壁に思わないように。気持ち、技術の面を詰めていければ。少しずつ世界の舞台に立つことができているので、パリ五輪に向けてどんどん場数を増やしていって、予選突破、ダイヤモンドリーグの上位入賞とか、成功体験を増やしていきたい」

 悔しさの滲む笑みを交えた取材の最後。悔しいけど、落ち込むような結果ではないのか。そんな問いに言葉を振り絞った。

「やっぱり悔しいですし、情けなかったりいろいろな気持ちはあります。けど、去年と違って課題が見えた試合だったので、それが去年と違うところかなと思います」

 日本の走り幅跳び界を背負う女王。経験を糧に一歩ずつ成長していく。

(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)


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