日本ボクシング界の「宝」と呼ばれた比嘉大吾 強打復活KO勝ちの裏に「前と違って大人」の成長
ボクシングのバンタム級(53.5キロ以下)ノンタイトル10回戦が24日、東京・大田区総合体育館で行われ、元WBC世界フライ級王者・比嘉大吾(志成)がWBA世界スーパーフライ級3位シリチャイ・タイイェン(タイ)に4回1分34秒KO勝ちした。4度のダウンを奪い、バンタム級での世界挑戦も近づく、2020年12月以来2年半ぶりのKO劇。戦績は27歳の比嘉が20勝(18KO)2敗1分け、32歳のシリチャイが65勝(43KO)5敗。
バンタム級ノンタイトル10回戦
ボクシングのバンタム級(53.5キロ以下)ノンタイトル10回戦が24日、東京・大田区総合体育館で行われ、元WBC世界フライ級王者・比嘉大吾(志成)がWBA世界スーパーフライ級3位シリチャイ・タイイェン(タイ)に4回1分34秒KO勝ちした。4度のダウンを奪い、バンタム級での世界挑戦も近づく、2020年12月以来2年半ぶりのKO劇。戦績は27歳の比嘉が20勝(18KO)2敗1分け、32歳のシリチャイが65勝(43KO)5敗。
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地元・沖縄の指笛が鳴り響いた。比嘉はゴジラのテーマソングで入場。2回には右ストレート3連打などでペースを握り、右を効かせた。連打で最初のダウンを奪取。再開後も猛攻を仕掛け、左ボディーで2度目、3回には右ボディーストレートで3度目のダウンを奪った。完全に主導権を握った4回、ボディーに渾身の拳を突き刺し、膝をつかせた。
10カウントで4回1分34秒KO勝ち。デビューから15戦連続KO勝ちの日本タイ記録を持ち、かつて「日本ボクシング界の宝」と呼ばれた比嘉らしいド派手な試合を見せた。試合後の取材では「久しぶりに倒せましたね。よかったです。会場が盛り上がってよかった」と安堵。パンチ力に自信がついたかという問いには、「どうっすかね」と首を傾げたが、「体重も含めて調整は最後まで順調だった。またこれを積み重ねていきたい」と汗を拭った。
3月の前戦をバンタム級で初回TKO勝ちしていた相手から4つダウンを奪ったが、狙ったわけではない。強引に倒しに行かず、冷静に見極めながら行けるところで行った。フライ級時代から師事する野木丈司トレーナーから口酸っぱく言われてきたことだ。
同トレーナーは「慎重に崩しに行っていた。突っ込んでラフになることが練習でも多い。この先を見据えて、割とそこを守れていた」と及第点を与えた。さらに「クレバーだったと思う」と言うと、比嘉も「クレバーに戦えてよかった。いいっすね、『クレバー』って。これからクレバーになります」と笑った。