ホバニシャンに11回TKO勝ちも…

　ボクシングのWBC世界スーパーバンタム級挑戦者決定戦は18日（日本時間19日）、米カリフォルニア州ポモナで行われ、同級2位の元世界2階級王者ルイス・ネリ（メキシコ）が同級3位アザト・ホバニシャン（アルメニア）に11回1分51秒TKO勝ち。スティーブン・フルトン（米国）が君臨するWBC王座への挑戦権を獲得した。スーパーバンタム級に転向する井上尚弥（大橋）との対戦も希望しているが、米メディアは「強力なボクサーからのパンチにうまく対応できていない」と、同級での苦戦を指摘している。

　ネリは手数を出して攻める展開だったが、9回になるとペースダウン。それでも10回に息を吹き返した。残り40秒付近で、接近戦からの左がホバニシャンの顔面にクリーンヒット。ロープ際に後退したところをさらに詰めてダウンを奪った。11回も残り1分半を切ってラッシュを浴びせる。最後は強烈な左を食らったホバニシャンがふらつき、レフェリーストップ。TKO決着となった。

　戦前から井上を挑発してきたネリだが、試合後には「シンプルなことだ。俺はイノウエとやりたいね」「フルトンでもイノウエでも挑戦する準備はできているよ」などと語ったと米メディアに伝えられている。米専門メディア「ボクシングニュース24」も「ルイス・ネリ、次の望みは“リトル・モンスター”ナオヤ・イノウエ」との見出しで記事を公開した。

　記事では「この試合はWBC世界スーパーバンタム級ベルトへの挑戦者決定戦だったにもかかわらず、28歳のネリはベルトを持っていないイノウエを選んだのだ。イノウエは候補者の一人というより、WBC＆WBOタイトルを持つフルトンに挑戦するプランを立てている」と記されている。