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開幕3連敗で生じた選手の「迷い」 Bリーグ三河、課題克服へ求められる2つの変化

西田らが見出した苦境を抜け出す手がかり

 ところが、開幕から3連敗。「もっといけるんじゃないか、もっとできるんじゃないか。去年上手くいっていたことが今年になって上手くいかないと感じる部分はありました」(西田)、「あの時(原州戦)の感じでやれば絶対いいのに、なぜできなくなったのかが俺らにも分からない」(長野)と、選手も期待と現実とのギャップに戸惑った。それが迷いとなり、それぞれがなんとかしなければと思えば思うほど、個で解決するという昨季の悪癖が顔を出し、さらなる悪循環を招いた。

 迷いの中にも、分かっていることもある。

「まだ合わない部分もあると思いますが、それでも共通してできるものはディフェンスだと思うんですよ。今日は出だしから全員がそこを意識して勝てたというのは、チームとして少しずつ形が見えてくるんじゃないかと思うので、継続してやっていきたい」と、西田は今季初勝利を挙げた仙台89ERSとの第2戦後、苦境を抜け出す手がかりを見出していた。

 続く京都ハンナリーズとの第1戦は、第1クォーターに2桁のビハインドを許す重い立ち上がりとなったが、途中出場の長野がディフェンスから悪い流れを変え、74-69と連勝を飾った。

 翌日の京都との第2戦は63-76と逆転負けを喫して、一気にトンネルを抜けることはできなかった。それでも、チーム全体の3ポイントシュート確率が26.8%でリーグ最下位と苦戦するなか、エースとして期待される西田が「ディフェンス」で、柏木キャプテンから”非公式“に副キャプテンに指名された長野が「コミュニケーション」で、チームを牽引しようという意志を示したことは変え難い収穫だ。

「今季はエースとして自分がやらなきゃという思いもあります。負けた試合でも自分がディフェンスを頑張ったところから流れが来たタイミングがあったので、違う形でチームを引っ張ることができたと思います」(西田)

「自分はキャプテン系とかそういう感じではないのですが、ここ何試合かコートで喋る人がなかなかいないので、ガードから常に声を出していこうと話しています。(声を出したり、ハドルを組んだりすることを)続けていきたいと思いますし、自分の役割はディフェンスから走ってリズムを変えることなので、全試合通してやっていきたい」(長野)

 こうした明るい兆しも結果につながらなければ、このままズルズルと泥沼に陥ってしまう危険性は高い。ここからの川崎ブレイブサンダース戦、三遠ネオフェニックス戦で、是が非でも勝利という結果を出したい。

(山田 智子 / Tomoko Yamada)


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山田 智子

愛知県名古屋市生まれ。公益財団法人日本サッカー協会に勤務し、2011 FIFA女子ワールドカップにも帯同。その後、フリーランスのスポーツライターに転身し、東海地方を中心に、サッカー、バスケットボール、フィギュアスケートなどを題材にしたインタビュー記事の執筆を行う。

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