異例の“救済1人レース”発端に 転倒→隣のハードル倒した選手が反省「こんなの初めて」【世界陸上】
オレゴン世界陸上が23日(日本時間24日)、米オレゴン州ユージンのヘイワード・フィールドで第9日が行われた。女子100メートル障害予選で転倒した選手が隣のレーンの選手のハードルを倒してしまうハプニングが発生。不利を受けた選手の抗議により、たった1人の救済レースが行われた。引き金となる転倒をしてしまった選手は「全てを犠牲にしてしまった」「こんなことは初めて。本当に残念」と自身のレースを振り返っている。
オレゴン世界陸上女子100メートル障害予選、ラスト1台で転倒した米国のリア・アリ
オレゴン世界陸上が23日(日本時間24日)、米オレゴン州ユージンのヘイワード・フィールドで第9日が行われた。女子100メートル障害予選で転倒した選手が隣のレーンの選手のハードルを倒してしまうハプニングが発生。不利を受けた選手の抗議により、たった1人の救済レースが行われた。引き金となる転倒をしてしまった選手は「全てを犠牲にしてしまった」「こんなことは初めて。本当に残念」と自身のレースを振り返っている。
本人も経験のない転倒劇だった。現地時間午前11時20分から行われた女子100メートル障害予選1組で起きた。中盤から抜け出したリオ五輪銀メダリストのリア・アリが9台目でバランスを崩し、続くラスト1台で隣のレーンのハードルも倒してしまった。煽りを受けた6レーンのアンネ・ザグレ(ベルギー)は13秒25の組5着。アリとともに予選敗退となったが、レース後に不公正な競走となったと抗議。大会側がこれを認めたため、6時間後に7組目として再レースの措置が取られた。
障害レースに転倒はつきものだが、隣のレーンの選手のハードルを倒してしまうのは珍しい。英公共放送局「BBC」、豪ヤフースポーツによると、アリ本人は「テクニックをおざなりにしてしまい、全てを犠牲にしてしまった」と自身のレースを反省した。
「スピードに乗っていたのに、こういうことが起きてしまった」「こんなことは初めて。本当に残念」「いつもならハードルに躓いたり引っかかったりしてもすぐに立て直せる。今回もそれを願ったけど、躓き方があまりに大きかった」などと語り、「これは私の行く道の一部だから、全てのことを受け入れていかないと」と転倒による敗退を受け止めていたという。
一方、ザグレは救済レースに単独走で出場。場内の大歓声を浴び、準決勝進出を狙ったが、最後の1台で脚をひっかけて大きく減速し、倒れ込みながらゴールになだれ込んだ。本人は呆然とした表情。14秒09で敗退となったが、場内からは労いの大きな拍手が送られていた。
(THE ANSWER編集部)