以前は「口論しても必ず負ける状態」 北口榛花、やり投げ王国チェコ人コーチと深めた絆【世界陸上】
オレゴン世界陸上は20日(日本時間21日)、米オレゴン州ユージンのヘイワード・フィールドで第6日が行われた。女子やり投げ予選では、日本記録保持者の24歳・北口榛花(JAL)が1投目に64メートル32を投げ、一発で22日(同23日)の決勝に進出。59メートル15で全体11位だった初出場の22歳・武本紗栄(佐賀スポ協)とともに日本勢11年ぶりのファイナルに進出した。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)
オレゴン世界陸上
オレゴン世界陸上は20日(日本時間21日)、米オレゴン州ユージンのヘイワード・フィールドで第6日が行われた。女子やり投げ予選では、日本記録保持者の24歳・北口榛花(JAL)が1投目に64メートル32を投げ、一発で22日(同23日)の決勝に進出。59メートル15で全体11位だった初出場の22歳・武本紗栄(佐賀スポ協)とともに日本勢11年ぶりのファイナルに進出した。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)
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北口は大興奮だった。「行きまーす!」。いつもの甲高い声を張り上げた。オレゴンの空に描いた放物線。1投目にいきなり今季ベスト64メートル32をマークした。無条件で決勝進出となる62メートル50を大きく超える投てき。くるりと振り返り、両手を挙げて飛び跳ねながらスタンドへ一直線だ。あまりの喜びように米実況席から笑い声が漏れる。出迎えたセケラックコーチとハイタッチを交わした。
「前回の世界陸上は6センチ差で予選落ちしたので、予選に集中して臨んだ。前の組があまり記録が出ていないのが見えていたので、しっかり60メートルを超えれば残る自信はあった。62メートル50という数字にとらわれずに投げられたのがよかった」
前日まで助走で調子を崩していたため、助走距離を1メートル手前に修正。好調だったシーズン序盤の形に戻した。「1メートルなので、やりの半分もある。凄く不安でいろんな人に『1メートルも変えるんだけど』と相談してました」と持ち前の笑顔で明かした。今季自己ベストには「あまり凄い飛んだ感じはしなかったけど、64という数字を超したかったけど超えられなかった。今日超えられてよかった」と頷いた。
やり投げ王国チェコのジュニア世代でナショナルコーチを務めるセケラック氏に、2019年から師事。最初は厳しい練習についていくのがやっとだった。コーチは絶対的存在だっただけに、意見をぶつけた際は「口論しても必ず負けるような状態」と一方通行。しかし、徐々に関係性を高め、東京五輪以降は受け入れてくれるようになった。