異例の“スタッフ契約”から6か月 三河の米バスケ選手、平均20.3得点とエース級の活躍
バスケットボールB1リーグの2021-22シーズン開幕直前、シーホース三河が“チームスタッフ”の加入を発表した。名をアンソニー・ローレンスⅡ(二世)という。彼はマイアミ大でプレーしたのち、NBA Gリーグに在籍していた25歳。201センチ・100キロのウイングプレーヤーだ。
2月5日に選手登録、25歳のローレンス二世がB1リーグで目覚ましい活躍
バスケットボールB1リーグの2021-22シーズン開幕直前、シーホース三河が“チームスタッフ”の加入を発表した。名をアンソニー・ローレンスⅡ(二世)という。彼はマイアミ大でプレーしたのち、NBA Gリーグに在籍していた25歳。201センチ・100キロのウイングプレーヤーだ。
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チームのGM的な役割も果たしている鈴木貴美一ヘッドコーチ(HC)は、「コロナだからビザを取って準備して、1人は確保したかった」と振り返る。コロナ禍において、外国籍選手の負傷や日本国籍取得などで枠が空いた場合、代わりの選手をすぐ入国させることは難しい。三河はある種の保険としてローレンスⅡを“就労ビザのある練習生”の扱いで契約した。
三河は今年2月上旬にジェロード・ユトフ、カイル・コリンズワースが相次いでインジュアリー(故障者)リストに入り、ロースターから外れた。ローレンスⅡはそれを受けて2月5日に選手として登録され、Bリーグデビューを果たした。
そこから13試合、彼は目覚ましい活躍を見せている。1試合平均20.3得点、6.5リバウンドを記録していて、これは“スター選手級”のスタッツだ。4月6日の島根スサノオマジック戦は三河がオーバータイムの末に84-90で敗れたものの、ローレンスⅡは42分9秒のプレータイムでなんと35得点を決めた。
この試合、島根のファウル数は「16」とそこまで多くなかったが、そのうち9ファウルはローレンスⅡに対するもの。ローレンスⅡはゴール下への突破で島根のディフェンスを苦しめ、1試合でフリースローを15本も放っている。
彼のペイントアタックは強引に見えるが、実は効率的だ。小さなズレを活かすスピードがあり、高確率でフィニッシュに結びついていた。長い腕と跳躍力を生かしたフックシュートや3ポイントシュートの精度も高い。
鈴木HCはローレンスⅡについて、こう述べる。
「非常に得点能力があるし、ハードにリバウンドを頑張ろうというところもある。だんだんとチームにも慣れてきて、今日は彼が我々のオフェンスをリードしてくれた。素直に練習もやっている」
ローレンスⅡは自らの活躍をこう振り返る。
「出だしにリードされて、追い上げようとしているなかで、アグレッシブにアタックしたら上手くいきました。チームメートも『もっとアタックしろ』と言ってくれたので、それでずっとアタックするようにしました」