危機的状況で輝いた2人のバスケ日本代表 CS進出“黄信号”、Bリーグ三河を救えるか
チャンピオンシップ(CS)出場に黄信号が灯るシーホース三河に希望を与えたのは、帰還したばかりの2人の若き日本代表だった。
勝負の広島戦で1勝1敗、西田優大とシェーファーアヴィ幸樹が躍動
チャンピオンシップ(CS)出場に黄信号が灯るシーホース三河に希望を与えたのは、帰還したばかりの2人の若き日本代表だった。
代表活動期間により中断していたバスケットボールBリーグが、およそ1か月ぶりに再開した。
三河は中断前の時点で、16勝15敗で西地区5位。各地区上位3位までと、ワイルドカード2クラブが出場できるCS争いに踏みとどまるためにも、3月5日と6日に行われた4位・広島ドラゴンフライズとのホーム2連戦は連勝が求められる状況だった。そうしたなかで三河は、日本代表戦後、1週間の隔離期間を経て試合開始3時間前にチームへ合流した西田優大とシェーファーアヴィ幸樹を先発に起用して必勝態勢で臨んだものの、1勝1敗に終わった。
5日に行われた第1戦は、出だしの悪さがすべてだった。
飛行機と新幹線を乗り継いでの7時間かけた移動が響き、「前半は足が重かった」(西田)。加えて代表とクラブとのプレーの違いや、前日に加入が発表されたジョナサン・オクテウスとの連係不足もあり、本来のパフォーマンスが出せなかった三河は、一時19点のビハインドを背負った。
西田も第1クォーターの残り4分55秒で一度ベンチに下がるが、それが後半の爆発につながる。
「あのタイミングでの交代は自分でも納得じゃないですけど、足も動いていなかったし、自分のところで3ポイントをポンポンと何本かやられたので、仕方がないかなというのもあります。外から見ていて、雰囲気というか、なんとなく慣れてきた部分があったので、もう一回出たところで3ポイントシュートやドライブもでき始めた」
西田は後半だけで15得点を挙げて、猛追の急先鋒となる。誰よりも足を使ったディフェンスで相手に仕事をさせず、外国籍選手をスピードで振り切って逆転のバスケットカウントを決めるなどチームを引っ張った。最終的には83-92で広島に逃げ切られるも、翌日への士気を高める活躍だった。
昨年春に東海大学を卒業したばかりの西田は、今季三河に加入。「新人王」を目標に掲げたルーキーは、開幕からスターターに定着して全33試合に先発出場。“エースキラー”と評されるディフェンス力と11.5得点の得点能力で三河のエースにふさわしい輝きを放っている。
東京五輪で女子日本代表を銀メダルに導いたトム・ホーバスヘッドコーチ(HC)が、昨秋から男子代表を率いて以降、西田はコンスタントに新生「AKATSUKI FIVE」に選出。11月のトム・ホーバスジャパン初陣で、2試合連続の2桁得点を挙げると、2月のワールドカップ(W杯)予選Window2チャイニーズ・タイペイ戦では、チーム最多の27得点を挙げて逆転勝利に貢献した。