ついに初Vの西郷真央 2位7度の昨季、糧になった悔し涙「帰りの車の中で思い出して…」
優勝に繋がった最終18番の判断、師匠も「ゴルフ頭脳はトップ」
最終18番パー5。西郷は第2打をグリーン左の深いバンカーに入れた。ボールは高い壁近くに位置した。ピン方向を狙えば、第3打が弾き返される状況。西郷はここで「いったん左側に出そう。そっちの壁なら越えられる」と判断。グリーン奥のマウンドに向けてショットした。第4打のアプローチをピン側に寄せてのパー。最終的には、この1打が勝利をもたらした。
高校時代から師事する“ジャンボ”こと尾崎将司も会見中に祝福のコメントを寄せ、西郷のゴルフに対する姿勢を称賛した。
「ゴルフに対する考え方や取り組み方が優等生で、プロの中でもそのゴルフ頭脳はトップではないかと思う時がある」
西郷いわく、尾崎からは「しっかりやり続ければ、結果はついてくる」と励まし続けられ、ツアーの先輩である藤田さいきからは「もう少しだから、絶対、大丈夫だから」と声をかけられていたという。
「すごく励みになりました。その言葉を信じて、練習を続けてきて良かったです。今日は16、17番は、普段は入る距離じゃないバーディーパットが入りました。昨日まで入らなかった分が回ってきたのかなと思いました。入らなくても考えすぎず、『運が回ってきたら入る』と思っていて良かったです」
成人式にも参加せず、地道に練習を積み重ねてきた20歳。小学生の頃から抱いている「海外で通用する選手になる」という夢については、初日を終えた段階で「まだ、挑戦するタイミングじゃない」と言った。だが、1つ大きな壁を乗り越え、表現を変えた。
「(同門の笹生)優花も同じ年齢で前を走ってくれていますから、考えていきたいです」
笹生は昨年6月、全米女子オープンで優勝を果たした。西郷も目指すは米女子ツアー。まずは国内で勝利を重ね、その時を待つ。
(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)