ロシアの侵攻に「申し上げたいのは…」 ケニアのマラソン五輪王者キプチョゲの願い
6日の東京マラソンに向けた会見が4日、都内で行われ、一部選手が出席した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で2年ぶりの開催。2時間1分39秒の男子世界記録を持ち、16年リオ、21年東京と五輪連覇した37歳エリウド・キプチョゲ(ケニア)が、初参戦の大会を前にロシアの侵攻を受けるウクライナ情勢を踏まえて平和を願った。
6日東京マラソンへ会見
6日の東京マラソンに向けた会見が4日、都内で行われ、一部選手が出席した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で2年ぶりの開催。2時間1分39秒の男子世界記録を持ち、16年リオ、21年東京と五輪連覇した37歳エリウド・キプチョゲ(ケニア)が、初参戦の大会を前にロシアの侵攻を受けるウクライナ情勢を踏まえて平和を願った。
ロシアとベラルーシの選手、役員を国際大会から除外するよう求めた国際オリンピック委員会(IOC)の勧告を受け、国際陸上競技連盟は7月の世界選手権(米国)など主要大会で両国の選手、役員の大会参加を禁じた。各競技で締め出しが進んでいる中、様々な選手が想いを発信。すでに来日しているキプチョゲは、リモートで会見に出席し、こう語った。
「申し上げたいのは、みんな人間ということです。テーブルに集まり、解決策を見出ださないと前に進めない。ロシア、ウクライナの政府関係者が話し合うことが重要なのです。同じテーブルで解決策を見出だすのが大切だ」
平和を願う世界最強ランナー。様々な場所で慈善活動を行うなど、社会貢献に励んできた。今大会も「ランニングを通して日本のコミュニティーに希望とポジティブなエネルギーを届けたい」と参戦。「私は競技に対して愛がある。そういう思いが私を走り続けさせる。みんなにインスピレーションを与えるのが楽しい。走ることは私の人生だ」と自身の走りで人々に力を注ぐことを誓った。
2019年には非公認ながら42.195キロを1時間59分40秒で走破。人類初の2時間を切る異次元のタイムをマークした。マラソンは15戦13勝の驚異的勝率。今回も目標タイムは数字を入れるボードの6マスに「STRONG」と記した。「完全に自分にも、結果にも満足するレースをするということ。日本のファンの皆様が見て感動してくれるレース。よいパフォーマンスを発揮することだ」と力強い。
2時間14分4秒の女子世界記録を持つ東京五輪銀メダルの27歳ブリジット・コスゲイ(ケニア)も参戦。男女世界記録保持者が出場する国内では異例のレースとなる。キプチョゲが見据えるのは24年パリ五輪。3連覇なら史上初の偉業だ。「世界中、マラソンは慈善活動としてもできる。そして、私は走ることをやめることはない。世界中を周ってみたいと思います。何かできることを考えたい。将来は良好だと思っている」。まずは東京。その走りからエネルギーが生まれる。
(THE ANSWER編集部)