「育てながら勝つ」 レバンガ北海道の新指揮官、佐古賢一が示す若手の活かし方とは
中野が取り組むディフェンス面の改善
若手の成長について、指揮官はこう見る。
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「数字になかなか出ないところですけれど、まず山口(颯斗)選手のディフェンスに対する気持ちとリバウンドは、シーズンを始める前よりかなり上がっています。あと葛原(大智)選手、中野(司)選手も積極的に3ポイントを打ちながら、ディフェンスの意識をかなり上げてきています」
ただ中野はディフェンス面の課題を指摘され、改善に取り組んでいた。彼は185センチ・84キロのシューティングガードで、山口とともにチームを背負う人気選手でもある。
中野は開幕から10試合連続で先発を任されていたものの、その後8試合はベンチスタート。しかも直近の3試合はプレータイムが4~5分と大きく減少していた。ただ茨城戦は先発に戻り、24分23秒のプレータイムで17点を記録。課題の守備面についても、一定の成果を出していた。
中野はこう説明する。
「ピック&ロールのところで、オフボールのスクリーンの抜け方を指摘されていました。プレータイムの少ない時期に、アシスタントコーチに手伝ってもらって改善しようとやりました。まだまだ課題は残っているんですけれど、いい部分も出せたと思います」
ピック&ロールはハンドラーとビッグマンの連携から、数的優位やズレを作るオフェンスの基本プレー。守備側はスクリーンに引っかかる、相手のマークを離す時間をなるべく短くする必要がある。そこが中野の取り組んでいる課題だ。そうやって課題の発見、克服のサイクルを上げることはそのままより良い結果につながる。
一方でオフェンスについては、少しおおらかなアプローチが見て取れる。佐古HCが若手選手たちに求めているのは積極性だ。
そもそもバスケという競技では、“期待値”を計算しながらシュートを打つことが求められる。ショットクロックの残り時間が極端に少ないなら話は別だが、「成功確率が20%の2ポイントシュート」はバッドショットで、そもそも打つべきでない。
一方で打ち気がなければ相手の守備は脅かせないし、挑戦がなければ本人の成長もない。特に若い選手は“失敗しても続ける”姿勢が必要だ。