ゴルフ界初の双子V 岩井明愛、土壇場で強気の水切りショット「初めてで緊張した」
母は「明愛らしい」、父は「感覚を大事にする強気のスタイル」
コロナ禍の無観客試合でコース内に家族の姿もなかったが、遠征に同行している母・恵美子さんは、後で状況を知り、「見ている人はドキドキですけど、明愛らしいです」と言った。「とにかく攻める」が、明愛のプレー信条だからだ。父・雄士さんも「明愛は感覚を大事にする強気のスタイル」と話してきた。
その「感覚」も生かして手にした1打差優勝。ステップ・アップ・ツアーの前戦では、単独首位に立ちながら、最終日に伸ばせず、優勝カップは千怜の手に渡った。幼少期から常に競い合い、小学校の持久走大会でも6年間1、2位を分け合ってきたが、その「ライバル関係」はプロになっても続いていることを示してみせた。
ただ、岩井姉妹の目標は「ツアーで優勝争いをして、将来は海外メジャーを一緒に戦うこと」だ。優勝インタビューで「ツインズ優勝、素晴らしいですね」と振られ、「はい」と笑顔を輝かせたが、今後に向けて問われると、表情を引き締めて言った。
「こういう経験は今後も生きていくと思います。レギュラーツアーでも優勝できるように頑張ります」
恵まれたフィジカルで、軽く振ってもドライバーショットの飛距離は250ヤード以上、切れるアイアン、強気なプレースタイル。この日は16番でピンチ一転、20ヤードのチップインバーディーを決める勝負強さも見せた。この優勝で千怜とともに、明愛は、2022年ツアー予選会(QT)の1次を免除されて、最終QTからの出場となった。驚異の岩井ツインズ。2人は着々と女子ゴルフ界のセンターに近づいている。
(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)