NPB目指す選手の“第2の人生”を形成 アスリート向け教育機関と独立リーグ球団が連携
兵庫の川崎代表「一番大切なのは、野球以外の可能性を知ってもらうこと」
「これまでは自分自身でセカンドキャリアを形成する流れにあったが、(選手には)野球で培ってきた経験にはいろんな可能性や選択枠があるとより理解してもらいたい」(川崎代表)という想いから、教育機関との提携に至ったという。
兵庫ブルーサンダーズに限らず、独立リーグにはNPB(日本プロ野球機構)への入団を目指す若い選手が多い。だが、ドラフトで指名されるのは非常に狭き門であり、ほとんどの選手は20代前半で野球人生に区切りをつけることとなる。例えば、兵庫ブルーサンダーズでは、球団設立から11年間で延べ150名の選手が在籍。本指名1名、育成指名を2名を輩出したが、多くの選手は2~3年でチームを去り、第二の人生を歩む。
今回、ブルーサンダーズとの提携を決めた中田仁之日本営業大学学長は「アスリートは、非認知能力に優れている。具体的には誠実さ、忍耐心、リーダーシップ、コミュニケーション能力などが挙げられ、この部分で抜群に高い能力を持つと考えている。私たちは彼らの非認知能力を磨き、自己肯定感を上げることで、社会でも通用するんだという自信をつけてもらう活動をしていく」と話す。
「選手たちはどんな職業があるかも知らない。一番大切なのは、野球以外にもいろんな可能性があると選手たちに知ってもらうことである」と川崎代表。スポーツで養われた力や経験は、実社会でも役立つことを知る。実学を通して得られるその気づきが、次のステージへと踏み出す力となる。
(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)