大迫傑の日本新を生んだ、井上大仁の“攻め” 瀬古利彦氏「井上がいて大迫の記録に」
残り1枠の東京五輪代表切符を争う東京マラソンが1日、東京都庁~東京駅前行幸通りの42.195キロで行われ、日本記録保持者・大迫傑(ナイキ)が日本人トップとなる2時間5分29秒の4位でフィニッシュした。自らが持つ日本記録を21秒更新し、MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)ファイナルチャレンジ男子第2戦で東京五輪代表に大きく前進。試合後の会見では、日本陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダーが大迫の記録樹立を称えつつ、その裏に井上大仁(MHPS)の健闘があったことを強調した。
30キロ過ぎまで引っ張ったから生まれた新記録
残り1枠の東京五輪代表切符を争う東京マラソンが1日、東京都庁~東京駅前行幸通りの42.195キロで行われ、日本記録保持者・大迫傑(ナイキ)が日本人トップとなる2時間5分29秒の4位でフィニッシュした。自らが持つ日本記録を21秒更新し、MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)ファイナルチャレンジ男子第2戦で東京五輪代表に大きく前進。試合後の会見では、日本陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダーが大迫の記録樹立を称えつつ、その裏に井上大仁(MHPS)の健闘があったことを強調した。
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大迫か、設楽悠太か。過去の実績からBIG3では3番手と見られていた井上が、レース序盤から飛び出した。1キロ2分55秒のペースメーカーが引っ張る第1集団に食らいつく。積極的な走りを見せると、日本人トップで五輪争いを牽引。中間点は日本記録を1分以上も上回るスピードで通過した。しかし、25キロ過ぎに先頭から徐々に離され、32キロ付近で大迫に捉えられた。
苦しそうな表情を浮かべ、大迫の背中を見送っていく。突き放され、力尽きた。「攻めの走りをしたい」とレース前に宣言していた通りの力走。しかし、夢の東京五輪は逃げていった。2時間9分34秒の26位。戦いは終わった。
東京五輪への“最終決戦”と目されていた勝負の場。敗れはしたが、瀬古氏の井上に対する評価は高かった。「レゲセ選手についていけたのは、井上選手だけ。30キロ過ぎまで井上君がいたことが、今回の大迫君の記録につながったと思っている」と代表争いを牽引したことを強調した。さらに「今後のびわ湖毎日マラソン、名古屋ウィメンズマラソンにつながっていくはず」と大迫、井上ら日本人選手が見せた勢いが次週のレースに繋がることを期待した。
レース直後、取材エリアに現れた井上は言葉を並べた。「今日はやれることはやったので。まぁ、最後はひどかったですけど。後悔はしてないです」。走り切った表情には清々しさが浮かんでいた。
(THE ANSWER編集部・山内 亮治 / Ryoji Yamauchi)