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“最後のシーズン”が2月1日開幕 岐路に立つサンウルブズに残された選択肢…CEO激白

渡瀬裕司CEO【写真:吉田宏】
渡瀬裕司CEO【写真:吉田宏】

除外は既定路線、残された3つの選択肢とは

 SRからの除外が既定路線となった現状で、サンウルブズには3つの選択肢がある。

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1:SR残留への働きかけ
2:別のリーグなどへの参戦
3:チームの解散

 同CEOが、その3択の中で力を注いでいるのは「1」の残留なのだが、この選択肢が最も実現が難しいのは明らかだ。2020年を迎えた時点でSANZAAR側がサンウルブズ残留へ方向転換する要因は1つもないからだ。

 この厳しい現実の中で同CEOは、SANZAARへの訴求材料を探し求めている。

「何とか巻き戻す方法がないのかということを、我々のほうでもう1回、早急に考えていかないといけない。海外から見ると、ワールドカップ日本大会が予想以上の成功を収めたし、日本国民の熱気もすごかった。コンテンツとしては素晴らしいと思います。(昨季までの)サンウルブズの試合も観客が入っている。放映権の価値を高める一番の要素は、競技場がいっぱいになることだと考えれば、素晴らしいことだと思います」

 SANZAAR関係者からも、個々にはワールドカップでの日本代表の躍進や日本ファンの積極的な行動が、驚きを持って見られているという。このワールドカップ景気がどこまでSANZAAR側を動かすのかは未知数だが、同CEOはここに“時差”という要素を盛り込み存続への道を模索する。

「SR自体は観客動員などみても、いまのストラクチャーでいくのがはたして本当にいいのかという意見もある。ビジネスという面で考えると、これは決してないと思っているし、みんな同じ時差のところで戦えるのがいちばんだろう。縦の座標ですね。ここに日本もすごく可能性がある。そういう話はSANZAARでの話し合いでも出てきますから。

 彼らの中では、おそらくそれは2023年とか25年というターゲットを考えている。でも僕らは、その前の21年から打って出たい。そのためには、我々だけの力ではなくてビジネス(財界)の力を借りながらやっていかなきゃいけないと思っています。感触は、まだなんともいえないです。具体的な話はこれからです」

 ターゲットに据えるのは、ニュージーランド、オーストラリアという、ほぼ時差のない2か国だ。ラグビーの世界では伝統的に日本との繋がりが深く、とくにニュージーランドからは大量の選手、指導者がトップリーグを筆頭にした日本チームと契約している。この“縦の座標”を軸とした連携をさらに強めることがサンウルブズのまさに生命線であり、そのためには日本のビジネス界を巻き込むことが大きな追い風になると考えている。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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